マジック・ランタン・サイクル
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マジック・ランタン・サイクル

2011年12月3日公開、153分、アート
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戦後アメリカを代表する実験映画作家であり、アンダーグラウンド映画の旗手、ケネス・アンガーの作品を9本まとめた特集上映。Aプログラム(計74分)では「スコピオ・ライジング」「K.K.K.」「我が悪魔の兄弟の呪文」「プース・モーメント」「ルシファー・ライジング」の5本、Bプログラム(計79分)では「花火」「ラビッツ・ムーン」「人造の水」「快楽殿の創造」の4本という形に分けて上映された。〈花火〉ある少年の同性愛的な幻想を、シュールな詩情で映し出す実験的ゲイ・フィルム。アンガーが17歳で作った現存する最古の作品。ビアリッツの“呪われた映画”映画祭で主催者のジャン・コクトーに絶賛された。1947年製作、白黒、スタンダード、14分。〈プース・モーメント〉アンガーが、ハリウッドの衣裳係だった祖母の記憶を再現するかのように、20年代のスター女優の衣裳部屋と豪華な生活をキッチュな感覚で夢想した短編。1949年製作、カラー、スタンダード、16mm。6分。〈ラビッツ・ムーン〉フランスの道化とパントマイム演劇の人物ピエロと、イタリアのコメディア・デラルテのアルルカンとコロンビーヌの要素を、月の兎という日本の伝説とからめて描く神秘的な寓話。1950、1978年製作、白黒(染色版)、スタンダード(16mm)、7分。〈人造の水〉アンガーがイタリアはティヴォリの庭園で撮影したヨーロッパ時代の代表作のひとつで、庭園に一面もうけられた噴水の中を盛装した女性が歩いていくさまを幻想的に映し出す。1953年製作、白黒、スタンダード(16mm)、13分。<快楽殿の創造>実験映画作家ケネス・アンガーが54年に一応完成するも、その後78年まで4度に渡り(54、56、58、60年)、手を加えた野心作。カラー、スタンダード(16mm)、38分。〈スコピオ・ライジング〉性的なヒロイズムと男性主義の官能と危険の両義性を鋭く映像化1963。年製作、カラー、スタンダード(16mm)、29分。2011年12月3日より東京・渋谷アップリンクにて、プログラム構成を変更してリバイバル上映された。

ストーリー

〈花火〉暖炉の前に横たわった裸の少年(ケネス・アンガー)が、逞しい水兵(ゴードン・グレイ)に抱かれる自分を夢想しながら自慰行為をしている。だが欲望は満たされず、服を着て出かける。少年の目の前で別の水兵(ビル・セルツァー)が上半身裸になって肉体を誇示し、陶然とした少年をはがい締めにする。少年が水兵に煙草の火をつけてもらうと、水兵の大群が乱入して少年に襲いかかり、服をはぎ取って裸にし、鼻血を出させ、鎖で叩き、体じゅうを傷つけ、しまいには裸の胸を割った瓶で切り裂く。少年の時計仕掛けの心臓が止まる。全裸の少年の骸は多量の精液をかけられて蘇生する。少年が全裸に水兵帽を被って横になっている部屋に、夢の水兵が入って来た。水兵がペニスを取り出すとそれは勃起して花火になる。少年はその光を浴びて恍惚とし、胸からクリスマスツリーを生やす。クリスマスツリーは暖炉で燃え上がる。暖炉の前で、息を荒くした少年と顔が花火になった水兵が裸になっていっしょに寝ている。 〈ラビッツ・ムーン〉森の月夜、白衣のピエロ(アンドレ・スーベイラン)が月の光を浴びて踊っている、月は兎の分身である。月を手にして、兎を直にみたいと夢見るピエロの前にアルルカン(クロード・ルヴナン)が現れ、魔法幻灯を取り出す。幻灯の映し出す光のなかに、コロンビーヌ(ナディーヌ・ヴァランス)が現れる。ピエロはコロンビーヌに恋をする。 〈ルシファー・ライジング〉火山から流れ出る溶岩。エジプトの女神イシス(ミリアム・ギブリル)が火山岩の大地の上で目覚める。立ち上がるイシスに呼応して、古代エジプトの神殿を背に夫であるオシリス神(ドナルド・キャメル)。二人の神の感応のなかでマグス(ケネス・アンガー)が目覚める。映像はマグスの古代エジプトの墓所のようでもあり、現代のアパートのようでもある部屋から飛び立ち、古代エジプトやイギリスの古代文明、荒涼とした岩山などを自在に往来し、神々の交信を映し出す。やがてマグスは床に魔法陣を描き、大魔王ルシファー(レスリー・ハッギンス)を呼び出す儀式を始める。

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作品データ

原題
Magik Lantern Cycle
製作年
1947年
製作国
アメリカ
配給
イメージフォーラム
初公開日
2011年12月3日
上映時間
153分
製作会社
ケネス・アンガー
ジャンル
アート

[c]Kenneth Anger
[c]キネマ旬報社