スティーブン・ドーフ
Cliff Spab
テロリストの監禁事件に巻き込まれた末にメディアの英雄に祭り上げられた青年を主人公に、いわゆるジェネレーションXの冷めた感情と現代の世相をアイロニカルに描いた青春映画。ジェネレーションX小説の代表作と呼ばれるアンドリュー・ウェルマンの同名小説(邦訳・太田出版刊)を、UCLAの映画教授でもあり東京国際映画祭91で上映された『ドライブ』を監督したジェフリー・レヴィが映画化。脚本はレヴィとダニー・ルービンの共同。撮影は「ハウス・パーティー」「いとこのビニー」のピーター・デミング、音楽は「夢の涯てまでも」「クロウ 飛翔伝説」のグレアム・レヴェルが担当し、サウンドガーデン、スーサイダル・テンデンシーズなどのオルタナティヴ・ロックの挿入曲が全編に流れる。主演は「バック・ビート」のスティーブン・ドーフ。共演は「みんな愛してる」のリース・ウィザースプーン、俳優ゲイリー・ビジーの実子ジェイク・ビジーほか。
20歳のクリス・スパブ(スティーブン・ドーフ)は親友のジョー・ダイス(ジャック・ノースワーシー)とコンビニエンス・ストアにビールを買いに行くが、そこはテロリスト集団に占拠されており、彼らはほかの3人の客と一緒に人質となる。人質は一人ずつ殺されていき、36日が経った時、ジョーが一味の銃を奪って反逆するが逆に撃ち殺される。銃を取ったスパブは人質の一人で17歳の高校生ウェンディ(リース・ウィザースプーン)をかばい、犯人グループを全滅に追い込んだ。気がつくと彼は病院のベッドにいた。テロリストの撮影したビデオは全米に中継され、スパブとウェンディは知らない間に有名になっていた。両親は記者会見を用意し、息子をモデルにした映画の企画に喜んでいる。テレビではウェンディが観衆の中でキャスターの質問に答えており、その夜、スパブは彼女に電話するがすぐに切られた。退院した彼を両親やマスコミ、市長までもが追い回し、呆れた彼は逃げ出して行方をくらまし、隣のダイス家にジョーの姉モニカを訪ね、彼女と一晩過ごしてから送ってもらった。友達のモロウ(ジェイク・ビジー)と会ったスパブは町を歩き、自分の顔が表紙になった新聞・雑誌を見、レコード店に入ると等身大の彼のポップやCD、帽子やTシャツなどのキャラクター・グッズが売られているのを目の当たりにする。あの監禁中のビデオまでが店頭で流されており、画面の中で彼が連発する「ソー・ファッキン・ファット!」が若者たちの間で流行する。モロウの姉で弁護士のジャネット(パメラ・ギドリー)がエージェントになろうと申し出るが、彼は断って再び町をさまよい歩く。ホテルの部屋でテレビを見ているとクリス・スパブが自殺したと報道していた。開き直った彼はテレビ局に電話し、自分の番組を持ち、ロック・コンサートで記者会見を行う。そこへウェンディが現れ、再会を喜ぶ2人はあのコンビニを訪れ、その夜初めて結ばれる。母校の体育館の舞台に立った2人に、観衆は「ソー・ファッキン・ファット!」を連呼する。その時、一人の女子高校生バブス・ワイラーが2人を銃撃した。今度は彼女がメディアに祭り上げられ、彼女の言う「すべては大切だ」が新しい流行語となった。スパブとウェンディはマスコミの報道を病院のベッドで眺め、結婚を予感する。
Cliff Spab
Wendy Pfister
Morrow Streeter
Monica Dice
Janet Streeter
Scott Spab
Joe Dice
Gerald Parsley
Mr.Spab
Mrs.Spab
監督、脚本
脚本
原作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
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