コンスタンス・ベネット
Mary_Evans
「帰って来た恋人」「泥人形」と同じくコンスタンス・ベネット主演映画で、アディーラ・ロジャース・セントジョンが書き下ろした原作を「武装ラグビー」のベン・マークソンとジェーン・マーマィンが共同脚色し、「街のをんな」「心を汚されし女」のジョージ・キューカーが監督にあたり、「笑う罪人」「沈黙(1931)」のチャールズ・ロシャーがカメラを担当した。助演者は「お仰いましたわネ」のロウエル・シャーマン、「ある日曜日の午後」のニール・ハミルトン、「六百万交響楽」のグレゴリー・ラトフの面面で、その他ブルックス・ベネディクト、ルイス・ビーヴァース等も出演している。
メアリー・エヴァンスはハリウッドの料理店ブラウン・ダービイに勤める美しい聰明なウェイトレスであった。若くて美しいアメリカ娘が誰でもそうである様に、メアリーはスクリーンに対する憧憬と野心を小さい胸に秘めていた。常客の1人で監督として名声の高いマクシミリアン・ケイリーは彼女の美貌と希望とを認めて、彼の映画に一寸した役をもらって出演した。それは失敗だった。しかし彼女は失望せずに技を磨いた。やがて次の機会を捕えた時、メアリーは映画製作者ジュリアス・サックスにその美しさを認められた。サックスは得意の大宣伝を行なってメアリーをスターとして売り出した。その作は図に当たってメアリー・エヴァンスはアメリカの親友、と呼ばれて一流の人気スター連にその名を伍することが出きる様になった。メアリーが名声を高めていくのに引き換えて、ケイリー監督は飲酒に耽って、その才能はむしばまれ愚作を連発してその名は一日一日と落ちて行くばかりだった。メアリーは恩あるケイリーを折にふれ慰め励ますことを怠らなかたったが、落ち目になったケイリーは次第に深みに沈んで行った。メアリーはあるロケーション先で、ポロの選手で金持ちの青年ロニー・ボードゥンと恋に落ち、センセーショナルな結婚式を挙げた。しかし映画スターとしてのメアリーの地位は常に夫たるロニーの地位を厭倒するばかりでなく、彼女を取り巻く色々の出鱈目な風評が極度にロニーをクサらせた結果、遂に2人の破綻は離婚都市レノヘともたらされた。そしてまた時を同うして、自らの映画人としての生命が終わったことを悟ったマキシミリアン・ケイリーは寂しく自殺をとげてしまった。人生の苦汁を1時に味わされたメアリーは、1人ハリウッドを逃れて南フランスへ赴きその心の痛手を癒し、ロニーとの間の子供を産み落とした。メアリーには子供は喜びだった。そして、メアリーのハリウッドにおける噂が全然嘘八百で、彼女は操正しい妻であったことを了解したロニーが、はるばる彼女を訪ねて来て許しを乞い愛の復活を願ったので、彼女は再び幸福を持つことができた。
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