モフセン・モヒーディーン
Yehia
40年代のアレキサンドリアを舞台に、演劇に情熱を燃やす18歳の青年の姿を描く。製作・監督は東京国際映画祭で上映された「アデュー・ボナバルト」のユーセフ・シャヒーン。脚本はシャヒーンとモフセン・ザイド、撮影はモフセン・ナスル、音楽はファウド・ザヘリー、編集はラシーダ・アブデル・サラームが担当。出演はモフセン・モヒーディーンなど。
1942年、夏。大戦直前の地中海の美しい都アレキサンドリア。名門ヴィクトリア高校に学ぶヤヒヤ(モフセン・モヒーディーン)は、ハリウッドのミュージカル映画やシェイクスピアの戯曲に夢を抱く18歳の青年。彼は親友の音楽青年モフセン(アブダナ・マフムード)が他の悪友たちと海岸で軟派している時も、演劇や音楽のことを考えていた。アレキサンドリアには、連合国側のイギリス兵、オーストラリア兵、ニュージーランド兵などがあふれ返り、エジプト人青年将校らは、そんな彼らを苦々しく見つめながら、長い間エジプトを保護国としてきたイギリス人に対する憎悪をつのらせていた。そこで、彼らと結託するファルーク国王の暗殺と、近々この国にやって来る予定のチャーチルの暗殺を企てていた。そのための火炎ビンの材料を闇商売にしているモルスィー(エザト・アライリー)は、モフセンの叔父アデル(アハマド・メヘレズ)に連合軍の兵士を売ることさえいとわない。没落貴族のアデルも外国人将校を殺すことで愛国心を満足させていたが、ある日、泥酔していた若い兵士、トミー(ゲーリー・サンドキスト)は、殺さずに救った。学校でハムレットの母親役を演じて喝采をあびたヤヒヤは、初めて、弁護士をしている父アドリー(マフムード・メリーギ)に演劇への夢を語るが、息子をエンジニアにしようとしているアドリーは、取りあおうとはしない。モフセンの父パシャ(ファリド・シャウキー)は戦争に便乗して莫大な利益をあげている造船会社の社長だが労働者たちの中には貧しい学生のイブラヒム(アハマド・ザキー)がいた。彼はユダヤ人大富豪の娘サーラ(ナグラ・ファトヒ)を愛し始めていた。学園祭の演劇で大成功をおさめたヤヒヤは、シャヒノール王女(ライラ・ファウジー)に援助を乞い劇場を借りて公演するが失敗に終ってしまう。ある女優からアメリカのパサディナ演劇学院への留学をすすめられるヤヒヤ。そのころ、サーラは、イブラヒムの子を宿していた。エル・アラメインの砂漠が無数の若者たちの血に染まった。歳月は流れ戦争は終った。モフセンのイギリス留学を機にアメリカ留学を決意したヤヒヤは、父、祖母(ザイナブ・セドキー)らを必死で説得し、いったん就職した銀行をやめ、遂にアメリカへ向けて旅立つのだった。
Yehia
Father
Mother
Nadia
Grandmother
Mme Salha
Morsi
監督、脚本、製作
脚本
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
[c]キネマ旬報社