フェルナンド・レイ
マチュー・ファベール
二つの顔をもつ一人の娘に翻弄される初老のブルジョワ紳士の姿を描く。製作はセルジュ・シルベルマン、製作主任はウリ・ピカール、監督は「自由の幻想」のルイス・ブニュエルで、これはブニュエルの遺作となった。ピエール・ルイスの原作を基にルイス・ブニュエル、ジャン・クロード・カリエールが脚色。撮影はエドモン・リシャール、音楽はワーグナーの音楽(「ワルキューレ」)をギイ・ヴィレットが録音。編集はエレーヌ・プレミアニコフ、美術はピエール・ギュフロワ、衣裳はクロエ、フランチェスコ・スマルトが担当。出演はフェルナンド・レイ、キャロル・ブーケ、アンヘラ・モリーナ、ジュリアン・ベルトー、アンドレ・ヴェベール、ミレナ・ヴコティッチ、ヴァレリー・ブランコ、ジャック・ドバリー、ピエラルなど。
スペインの南の町セビリア。一見平和なこの町でも、正体不明のテロ事件が頻発していた。初老のブルジョワ紳士マチュー・ファベール(フェルナンド・レイ)が、あわてて駅にやって来てパリ行きの切符を買った。バカンス・シーズンの観光客で混雑する駅。マチューが乗り込んだ一等のコンパートメントには、子連れの婦人(ミレナ・ヴコティッチ)、判事(ジャック・ドバリー)、心理学教授(ピエラル)が乗り合わせた。そこへ、マチューを追って若い女がやって来る。追いすがる彼女に、マチューは頭からバケツの水をかけた。マチューの振舞に非難の目を向けるコンパートメントの面々。しかし、マチューは語り始めた。その娘コンチータ(キャロル・ブーケ)のことを。マチューがコンチータに会ったのは、従兄の判事エドワール(ジュリアン・ベルトー)を食事に招いた日のこと。その日雇われた新しい小間使がコンチータだったのだ。その初々しい姿にすっかり魅せられたマチューは、夜コンチータを呼んだ。しかしコンチータはその部屋を逃げ去り、翌朝、マチューの家を出て行った。彼女を忘れられないマチューはローザンヌのレマン湖畔で偶然彼女と再会する。演劇仲間といっしょの彼女は、興行主に騙され無一文だと言う。そんな彼女に金を握らせるマチュー。彼はそれがきっかけで、パリに帰ってからもコンチータのアパートを訪れた。アパートでは、彼女(アンヘラ・モリーナ)は、母と二人で貧しい生活を送っていた。マチューは、母親に大金を渡し、コンチータを自分の邸に引き取ろうとするが、コンチータは、そんなやり方のマチューに怒り、手紙を残して彼の許を去ってしまう。夜も眠れぬマチュー。再びとあるバーで偶然コンチータを見かけた彼は、今度こそは離すまいと、郊外の別荘に連れてゆく。ところが、ベッドの中でマチューが手にしたものは、なんと彼女を守る貞操帯だ。マチューの欲望は一向に満たされない。一方では彼女はギター弾きの青年(デイヴィッド・ローシャ)と戯れたりしている。傷心のマチューはセビリアにやって来た。そして再びコンチータに出会う。フラメンコを踊りながら母とわびしい生活を送っているという彼女に再び同情し、遂に家を買って与えた。しかし、いよいよという夜、家の玄関に鍵をかけ、マチューが見ている前でギター弾きと抱き合う彼女。怒りが爆発しパリに向かう彼を、彼女は追いかけて来たのだ。さらに「私は処女よ」と叫ぶコンチータ。話し終えて列車から降りたマチュー。何と、仲むつまじく、コンチータが寄り添っていた……。
マチュー・ファベール
コンチータ
コンチータ
エドワール
判事マルタン
パリに帰る婦人
Magistrate
Psyco-analyst
エル・モレニート
レースを縫い合わせる女
監督、脚本、台詞、脚色
脚本、台詞、脚色
原作
製作
撮影
美術
編集
衣装デザイン
衣装デザイン
録音
助監督
助監督
製作進行
字幕
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