マルーシュカ・デートメルス
ジュリア
'68年以後のポスト・テロリズムの時代を背景に若い学生によって真の愛を知る女の姿を描く。レイモン・ラディゲの同名の原作を大巾に改変し監督のマルコ・ベロッキオがエンリコ・パランドリと共同執筆、撮影はジュゼッペ・ランチ、音楽はカルロ・クリヴェッリ、編集はミルコ・ガッローネが担当。出演はマルーシュカ・デートメルス、フェデリコ・ピッツァリスほか。
ローマの高校。中庭に面した教室では家族の“狂気”に関するパスコリの詩について授業が行なわれていた。すると突然、若い女の人の叫び声が聞こえクラス中が窓際に集まる。向かいの屋根の上でナイトウェア姿の黒人の女性が今にも飛び降り自殺をしようとして何か叫んでいた。その騒ぎで目覚めたジュリア(マルーシュカ・デートメルス)は、その黒人女性と眼を交わし無言のうちに何か通じるものを感じ合った。その情景を目にした学生のアンドレア(フェデリコ・ピッツァリス)は、ジュリアが忘れられなくなった。翌日、アパートの外に出てジュリアを追ってアンドレアが教室を抜け出した。テロリストに父を殺されたジュリアは、父の墓碑に花を供えた。彼女は、その足でテロリストたちが審議を受けている法廷に向かった。実は、彼女の婚約者のプルチーニ(リカルド・デ・トレブルーナ)はテロリストで長く投獄されているのだった。檻の中に入れられたテロリストのカップルが公衆の前で抱き合い、それを見て興奮したジュリアは、となりに居合わせたアンドレアにしがみついた。ジュリアの不思議な魅力にひかれて彼女のアパートを訪ねるアンドレア。そこではプルチーニの母親(アニタ・ラウレンツィ)が将来の息子の嫁をまるで監視でもするかのように見はっていた。アンドレアを隠すジュリア。彼女はプルチーニ夫人を見送ると、家に戻りジュリアと抱き合った。アンドレアの父親は精神分析医だった。ジュリアは彼の患者だ。ヒステリックな彼女とは違って、アンドレアは若いのに落ちついていた。やがて、二人は本当に愛し合うようになり、プルチーニ夫人がそのことに気づきはじめた。夫人はアンドレアの父親にそのことを告げ、とがめられたアンドレアは、家を飛び出してジュリアのアパートに行く。やがてプルチーニの釈放の日がやって来た。ジュリアはプルチーニのもとを去った。その日は、アンドレアの卒業試験の日でもあった。口頭試験を受けているアンドレアの後で微笑むジュリア……。
ジュリア
アンドレア
監督、脚本
脚本
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
制作補
[c]キネマ旬報社