楊在葆
羅霄(羅筺)
実在の将車、羅炳輝の生涯を中心に、中国革命の凄絶な歴史を描く。監督は王炎、脚本は「紅色娘子軍」の梁信、撮影は沈西林が各々担当。出演は楊在葆、張金玲、馮淳超など。
羅筺(ざるの意)(楊在葆)、これが彼の呼び名であった。彼は雲南のイ族の奴隷で、結婚の日に、妻はあやまちを犯し自殺した。故郷をすてた彼は軍隊に入った。1915年の冬のことだった。彼は軍閥軍の副大隊長鄭義のもとで馬番となり、袁世凱討伐の戦いで数々の手がらを得て、副中隊長に抜擢され、名も肖羅としたが、相変らず奴隷出身という蔑視が彼につきまとった。彼は徐々に政治を覚えるようになり、世の変動と共に彼の思想も変っていった。彼はそこでソビエト区に行きその差別のない世界にひかれた。ついに紅軍師団長となった彼は名を羅霄と改め、ソビエト区防衛の厳しい任務についた。数々の迫害を受けながらも、ひたすら共産党を信じた彼は、病身をおして、連戦を連勝した。双眼鏡を手に戦闘指揮中に息をひきとった羅霄将軍に、陳毅将軍(馮淳超)は満身の共感を込めて哀悼の詩をおくった。
[c]キネマ旬報社