1930年代、ナチ抬頭期を背景に裏側に住む庶民階級と表側に住む裕福な階級のそれぞれの子供たち同志の対立を通しそれを取りまく大人たちの社会を描く。監督・脚本はU・バルテルメス・ヴェーラー、ヴェルナー・マイヤー、撮影はユルゲン・ユルゲス、音楽はアンディ・ブラォアー、編集はヘルガ・ボルシェが各々担当。出演はベルント・リーデル、レネ・シャーフ、マイ・ブシュケ、ユルゲン・フライ、ラルフ・ラックヴィッツなど。
ストーリー
1932年夏、67番地の裏街は、失業者で溢れていたが子供たちは明るくのびのび生活していた。パウエル(レネ・シャーフ)とエルヴィン(ベルント・リーデル)は大の仲よしで、靴磨きをしたり馬糞を売ったりして小遣いを貯めていた。彼らは、同じ裏側に住む子供たちで結成した子供組に属しており、工場跡を根城にして、攻めてくる表側に住むヒットラー・ユーゲント組の子供ちを撃退していた。ある日敵方の少年たちに襲われているユダヤ人の少女ミリアム(マイ・ブシュケ)を助けたことで彼女と仲良しになるエルヴィン。ミリアムは衣装店を営む叔母と住み、裕福に暮らしていた。失業者の数はますます増し、パウルの父親も職を失い、家賃が払えなくなった一家は家財を差し押えられ退去を命じられてしまう。しかし、周囲の人々の協力やミリアムの叔母の好意で、住民の祭の純益がパウル一家に寄与され彼らは転居をまぬがれる。半年後、町の様子はすっかり変わり鉤十字の旗がひらめき、演説やスローガンが鳴り響いていた。パウルの父は職を得るが、同じ一角に住むある家族はナチに連行されていき、ミリアムは土地を去らなければならなくなる。こうして、ヒットラー・ユーゲントとつき合う子供が多くなり、67番地子供組は解消してしまった。学校では教師たちがプロパガンダ活動を行ない、パウルまでが挙手礼に従がった。しかし、あくまでそれを拒むエルヴィン。腕章と制服をつけたパウルに、ついにエルヴィンは掴みかかるのだった。
スタッフ
監督、脚本
U・バルテルメス・ヴェーラー
監督、脚本
ヴェルナー・マイヤー
撮影
ユルゲン・ユルゲス
音楽
アンディ・ブラォアー
美術
マチェイ・プトフスキ
編集
ヘルガ・ボルシェ
字幕監修
岩淵達治
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
[c]キネマ旬報社