エレーナ・ソロヴェイ
Oliga
革命に揺れ動く混乱のロシアを舞台に嘘飾の世界で人形のように生きる一人の女優が新しい時代に目ざめ、人間としての自分を自覚してゆく姿を描く。監督は「オブローモフの生涯より」のニキータ・ミハルコフ、脚本はフリードリフ・ゴレンシュテインとアンドレイ・ミハルコフ・コンチャロフスキー、撮影はパーヴェル・レベシェフ、音楽はエドゥアルド・アルテミエフ、美術はアレクサンドル・アダバシャンとアレクサンドル・サムレキン、衣裳はA・ブドニコワが各々担当。出演はエレーナ・ソロヴェイ、ロジオン・ナハペトフ、アレクサンドル・カリャーギン、オレーグ・バシラシヴィリ、コンスタンチン・グリゴーリエフ、ニコライ・パストゥーホフ、ニキータ・ミハルコフなど。
1918年のロシア。ロシア革命の余波は映画界にも及んでいた。しかし内容は相変らず“泥まみれのバラ”“ギロチン台の娘”といった安易なメロドラマが多い。監督のカリャーギン(アレクサンドル・カリャーギン)、プロデューサーのユジャコフ(オレーグ・バシラシヴィリ)、女優のオリガ(エレーナ・ソロヴェイ)らは政治には無関心。革命のモスクワから遠く離れて南部の黒海沿岸の小さな港町で撮影を続けている。しかし、現場はフィルムが届かなかったり、共演男優がモスクワから到着しなかったりで、人気女優であるオリガは苛立ちぎみだ。混乱のスタッフ連の中にただ一人冷静な男がいた。カメラマンのポトツキー(ロジオン・ナハペトフ)だ。彼は密かにオリガを愛しており、そのことにオリガも気づきはじめていた。そして二人は毎朝ドライブを重ねるようになった。オリガは、ポトツキーに共産党員であることを問うが、それを認め、逆にオリガに今の社会状況を語って聞かせるポトツキー。やがて人形のような存在である女優としての自分の空しさを感じ、やっと自我にめざめるオリガ。ある晩、憲兵隊が撮影所の捜索にやってくる。ポトツキーは子供たちを処刑する憲兵隊たちの残虐な行為をフィルムに収めていたのだ。オリガのポトツキーへの愛がつのり、やっと結ばれる二人だったが、それも束の間、ポトツキーは憲兵隊に捕えられオリガの眼の前で射殺されてしまうのだった。
Oliga
Pototsky
Kalyagin
Yuzhakov
Fedotov
Veniamin
Ivan
Boima
監督
脚本
脚本
撮影
音楽
美術
美術
衣装デザイン
字幕監修
[c]キネマ旬報社