マーティン・ハルム
Ernesto
同性愛と異性愛の間で揺れ動く美しい少年エルネストの大人への自覚と階級意識ヘの目ざめを描く。製作総指揮はマルコ・タンブレラ、製作はシルヴィオ・クレメンテッリ、監督は「スキャンダル(1976)」のサルヴァトーレ・サンペリ。ウンベルト・サバの原作を基にバルバラ・アルベルティ、アメデオ・パガーニと監督のサンペリが脚色。撮影はカミロ・バッツオーニ、音楽はカルメロ・ベルナオーラ、美術はエジオ・アルティエリが各々担当。出演はマーティン・ハルム、ミケーレ・プラチド、ヴィルナ・リージ、トゥリ・フェロー、ララ・ウェンデル、レナート・サルヴァトーリ、コンチータ・ベラスコなど。
オーストリア=ハンガリー帝国のトリエステ。1911年。穀物商に勤める青年エルネスト(マーティン・ハルム)は17歳。彼は母(ヴィルナ・リージ)と二人で伯母の所に同居しており、将来彼を実業家にしようとしている伯父の希望で今のような仕事をしているが、彼のなによりの夢はバイオリニストになることだった。ある日、エルネストは、波止場の食庫で一人の人足(ミケーレ・プラチド)と知り合った。彼は美しいエルネストに興味をもち、仕事の後で会うことを希望した。その誘いを素直に受けたエルネストは、仕事を終えて約束の場所に行った。そこで初めて同性から愛を囁かれ肉体を与えるエルネスト。この関係がしばらく続いた後、彼は突然仕事をやめバイオリンに情熱を向けた。そして、あるバイオリンの演奏会で、彼は美少年イリオ(ララ・ウェンデル)と知り合う。今度は、エルネストがイリオを求めた。バイオリンを教えながらエルネストがイリオとキスを交わした時、そこにイリオの双子の妹であるレイチェル(ウェンデル二役)が入って来た。とまどうエルネストだったが、ノーマルな男女の愛情にも興味を感じはじめた。裕福な家柄であるレイチェルとの結婚。それはエルネストの母や周囲の者たちをよろこばす事でもあった。婚約式の日、馬車で会場に向かうエルネストを見つめる者がいた。彼を今でも慕っているあの人足だった。ブルジョワたちが祝福にかけつける会場で、エルネストは少し不安だった。このまま大人の世界に入っていくのだろうか、バイオリニストへの夢はどうなるのか……。そのときに、伯父のワイルダー(トゥリ・フェロー)が囁いた。「バイオリンはいつでも弾けるさ」-―。
Ernesto
Ilio/Rachell
Mother
監督、脚色
原作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
美術
脚色
脚色
字幕監修
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