マルセル・ダリオ
Le Marquis Robert de la Chesnaye
狩りに集まった上流階級の恋愛遊戯を描く社会風刺劇。ミュッセの戯曲『マリアンヌの気まぐれ』に想を得て、ジャン・ルノワール監督自身が脚本を執筆している。撮影はルノワール映画常連のジャン・バシュレ、音楽はロジェ・デゾルミエール、美術はのちに米英で監督になるユージーン・ローリー、衣裳はココ・シャネルが担当。出演はマルセル・ダリオ、ノラ・グレゴール、ローラン・トゥータン、ジャン・ルノワール、ガストン・モドなど。2024年11月29日より、YEBISU GARDEN CINEMA他にて4Kデジタルリマスター版が全国公開された。
ブールジェ飛行場に到着した飛行家アンドレ・ジュリユー(ローラン・トゥータン)は、熱狂した群衆に迎えられた。彼は大西洋を23時間で横断したのだ。しかし、彼は差し出されたマイクに「自分がこの冒険に挑んだのはある女性のためだったが、その彼女が出迎えに来ていない」と不満を表明した。その女性、ラ・シェネイ候爵夫人クリスチーヌ(N・グレゴール)は、パリの邸で小間使いのリゼット(ポーレット・デュボー)に着替えを手伝わせながら、そのラジオ放送を聞いていた。夫のロベール(マルセル・ダリオ)を含め、二人の仲は社交界で周知の事実なのだ。ロベールもまた、愛人ジュヌビエーブ(ミラ・パレリー)と秘かに関係を続けていた。アンドレの親友であり、クリスチーヌの相談相手でもあるオクターブ(ジャン・ルノワール)は、クリスチーヌに働きかけ、ラ・シュネイ家の領地コリニエールで催される狩猟の集いにアンドレを招待させる。コリニエールの密猟監視人シュマシェール(ガストン・モド)は妻のリゼツトと別居しているのが不満の種だが、ある日、密猟人のマルソー(ジュリアン・カレット)をつかまえる。そこに通りかかったロベールは、マルソーが気に入り使用人としてやとうことにした。狩猟の日、ジュヌビエーブと別れることにしたロベールは彼女と別れのキスを交す。それを偶然に目撃したクリスチーヌの目には、密会のようにうつった。翌日、クリスチーヌは彼女に愛を打ち明けるサン=オーバン(ピエール・ナイ)と姿を消し、アンドレはサン=オーバンを殴る。台所ではマルソーがリゼットを口説いているのをみて、シュマシェールが追いかけまわす。候爵はクリスチーヌとアンドレが抱き合っているのを見つけ、アンドレを殴り倒した。大混乱のあと、平静を取りもどしたロベールはアンドレと和解し、騒ぎをおこしたシュマシェールとマルソーを解雇した。解雇された二人が庭で話しあっていると、ベランダにオクターブとリゼットの姿が見えた。実はそれはリゼットのマントをはおったクリスチーヌだった。クリスチーヌはオクターブに、自分が本当に愛しているのは貴方だと打ちあけた。二人は一緒に逃げる約束をし、オクターブはコートを取りにもどる。しかし、リゼットにたしなめられ、アンドレに出くわしたオクターブはコートを彼に渡した。嫉妬にかられたシュマシェールの銃が火を吹き、アンドレはその場で息絶えた。ロベールは、この事件を、仕事熱心な密猟監視人が職務に忠実なあまり起した事故として処埋。お客も何事もなかったかのように、それぞれの部屋に引き返すのだった。
Le Marquis Robert de la Chesnaye
Christine
Andre Jurieu
Octave
Genevieve de Marrast
Charlotte de la Plante
Le General
De Saint Aubin
Lisette
Schumacher
Marceau
監督、脚本
脚本
プロダクション・スーパーバイザー、プロダクション・スーパーバイザー
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
字幕
[c]1939 Les Grands Films Classiques, Paris
[c]キネマ旬報社