ジュリー・ヴァンサン
Suzanne
強姦の被害者を中心にニュースフィルムを挿入したり監督と編集者の対話などを盛り込んで、強姦の深刻さを訴えかける。アンドレ・ネジャーの書いた実話ドキュメント『スザンヌの物語』を基にしている。製作はアンヌ・クレール・ポワリエとジャック・ガニエ、製作指揮はローレンス・ペール。監督は女性のアンヌ・クレール・ポワリエ。脚本はポワリエとマルト・ブラックバーン、撮影はミシェル・ブロー、音楽はモーリス・ブラックバーンが担当している。
看護婦のスザンヌ(ジュリー・ヴァンサン)は帰宅途中に、見知らぬ男(ジェルマン・ウード)にトラックの荷台につれ込まれて強姦されてしまう。アパートにやっとのことでたどり着いた彼女は泣き叫ぶ。その叫び声にかぶさってベトナム、バングラデシュの戦場で泣き叫ぶ女たちの顔がクローズ・アップされる。戦場で敵味方を問わず男たちに集団強姦される女たち。一夜あけ、恋人の医者フィリップ(ポール・サヴォー)に伴なわれ検診を受けた。そしてカメラマンに証拠写真を撮られる。オーバーラップして、アフリカの割札シーン。「儀式の名の許に奪われてしまう女自身の喜び」とナレーションは語る。刑事が彼女を尋問。微に入り細に渡って再現させられ、さらに傷つくスザンヌ。もつれた髪を切るように勧められ、スザンヌは執拗に拒む。それに伴ない、ナチスの軍人と関係した仏女性が戦後、坊主頭にさせられたニュースフィルムに変る。画面は一転、スザンヌの髪の毛の場面について話しあう監督(モニーク・ミラー)、編集者(ミシュリーヌ・ランコット)の姿を映し出す。スザンヌをインタビューする監督。裁判所のような所で、目をマスクでおおった女たちがいる。会社の上司、映画監督、主治医、夫に犯されたと告発する秘書、女優、患者、妻たち。各々語り、訴えあう。カメラは再びスザンヌにもどる。放心したようなスザンヌ。もう彼女は以前のようにフィリップと愛をわかちあうことはできない。もう叫ぶこともできない。彼女は睡眠薬を飲んで自殺した。
監督、脚本、製作
脚本
製作
製作総指揮
撮影
音楽
編集
字幕
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