ロビー・ベンソン
Billy Mills
1964年の東京オリンピックで鮮やかな逆転劇を演じたビリー・ミルズの半生を描く伝記映画。製作はアイラ・イングランダー、監督はジャーナリスト出身のドナルド・エヴェレット、脚本はへンリー・ビーンとシャール・ヘンドリックスの共同。撮影はフランソワ・プロタ、プロダクションデザイナーはキャロル・スピアが担当。出演はロビー・ベンソン、パット・ヒングル、クローディア・クロン、ジェフ・マクラケン、オーガスト・シェレンバーグ、デニス・ラクロワなど。
サウス・ダコタの高校に通うビリー・ミルズ(ロビー・ベンソン)は、ズバ抜けた運動能力をカンサス大学の陸上競技コーチのイーストン(パット・ヒングル)に評価され、同大学のスポーツ奨学生となった。大学では天賦の足の速さと強靱さでたちまち頭角を現わしたが、ビリーは自分を表現することができずいつも孤独だった。そんな彼を勇気づけるのは、亡き父(A・シュレンバーグ)の「誇りをもって生きるんだ」という言葉だ。ある日彼は、パット(クローディア・クロン)という美しい女子学生に出会った。失意と挫折にともすれば負けそうになるビリーの傷だらけの心を癒やしてくれたのはパットであり、彼女の優しさだった。二人は次第に愛を深めていったが、インディアンの血を引くビリーが白人の恋人を紹介しても、ビリーの故郷の仲間には素直に受け入れてもらえなかった。ビリーはそのことで悩み、ひいては彼のランニングの記録にも影響を及ぼしていった。ビリーは走ることをやめ故郷に帰ったが、そこではさらに悲しいことが待ちうけていた。兄と慕っていたブランク(デニス・ラクロワ)が自殺したのだ。画家を目指していたフランクに、社会は厳しく立ちはだかったのだ。やがて衝撃から立ち直ったビリーは再び走り始めた。走ることで人生を切り開く他に道はないと確信したのだ。海兵隊に入った後、彼はパットと再会し結婚した。その後、彼の足には以前にも増してスピードと力強さが加わり、東京オリンピックに出場することになった。努力に努力を重ね、ビリーは、オリンピックで見事に逆転優勝するのだった。
Billy Mills
Coach Easton
Pat Mills
Dennis
Billy's Father
Frank
Eddie
Ron Clarke
[c]キネマ旬報社