ベルナール・ジロドー
Giorgio Bacchetti
19世紀末のイタリア。若い軽騎兵将校を執拗なまでに愛する病弱な醜女の苦悩を描く。製作はフランコ・コミッテリ、監督は「ジェラシー(1970)」以後の作品が10作ほど未公開に終わっていたエットーレ・スコラ。イジニオ・ウーゴ・タルケッティの原作を基にルッジェーロ・マッカリとエットーレ・スコラが脚色。撮影はクラウディオ・ラゴーナ、音楽はアルマンド・トロバヨーリ、編集はライモンド・クロチアーニ、美術はフィオレンツォ・セネーセ、衣裳はガブリエラ・ペスクッチが担当。出演はべルナール・ジロドー、ヴァレリア・ドビチ、ラウラ・アントネッリ、ジャン・ルイ・トランティニャン、マッシモ・ジロッティなど。イタリア語サウンドトラック。
1862年。クリミア戦争で活躍した騎兵隊長ジョルジョ・バケッティ(ルナール・ジロドー)は、ピェディモンテの町でクララ(ラウラ・アントネッリ)という人妻と恋に落ちていた。しかし、ジョルジョは第4国境守備隊ヘの転属命令を受け、クララと遠く離れ離れに暮らすことになったのだ。休暇には必ず会いに来ると誓って旅立つジョルジョ。寂しい山あいの町に着いた彼を大佐(マッシモ・ジロッティ)が歓迎した。大佐の屋敷で寝起きすることになったジョルジョは、しかし、食卓の席で奇妙なことに気づいた。大佐の従妹の席がいつも空席なのだ。みなは彼女が病気だと弁明したが、どこか様子がおかしかった。数日が過ぎ、ジョルジョの興昧は、部屋にこもったきりの大佐の従妹のことに集中した。その女性フォスカ(ヴァレリア・ドビチ)に、ジョルジョは遂に対面した。しかし、そのあまりの醜さに彼は声も失う思いだった。一方、フォスカは、凛々しいジョルジョに一目惚れした。執拗につきまとうフォスカから逃れるように、彼は一ヵ月の休暇をとってクララの許ヘと急いだ。情熱的なクララとの愛の時を過ごして、ジョルジョが戻ってみると、フォスカは発作のために寝込んでいた。フォスカには過去に結婚した男がいたが、その男は結婚式の夜、持参金をもち逃げして姿をくらましてしまったのだった。男に恵まれないフォスカのことをかねがね心配していた軍医(ジャン・ルイ・トランティニャン)は、彼女のために一緒に夜を過ごしてやってくれとジョルジョに頼んだ。しかし愛のないジョルジョの態度は逆にフォスカを傷つけ、ジョルジョは、再びやすらぎを得るためクララの許へと向かった。汽車に乗る彼をフォスカが追った。無理に彼女を汽車から降ろすジョルジョ。しかし、勇んで訪ねていったクララば冷たかった。「フォスカにはあなたが必要なのよ」と、言い放つクララ。40日の休暇を2日で切り上げた彼は、ローマヘの転属命令を受けた。クリスマス・パーティーの夜、人前でジョルジョを愛していると絶叫するフォスカ。それを見た大佐がジョルジョに決闘を申し込み、ジョルジョの剣に倒れた。その夜不思議なことに、ジョルジョは、自然にフォスカの許へと足が向いた。夜明け、フォスカは生涯で最高の幸福感にひたりながら息を引きとるのだった。
Giorgio Bacchetti
Fosca
Clara
Dottore
Colonnello
Maggiore
監督、脚色
原作
製作
撮影
音楽
美術
編集
衣装デザイン
脚色
字幕
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