監督、脚本
インドが生んだ東洋で初のノーベル賞に輝く世界的な文豪タゴールの生誕百年を記念してインド政府が製作したタゴールの伝記映画。監督・脚本・ナレーションは「大都会」のサタジット・レイ、撮影はショーメンドゥ・ロイ、音楽はジョティリンド・モイトラ、美術はボンシ・チャンドログプタが各々担当。
ストーリー
インドが生んだ世界に誇る詩聖タゴール。東洋人で初めてのノーベル文学賞に輝くラビンドラナート・タゴールの生誕百年祭が、一九六〇年にカルカッタで盛大に行われた。インド政府はこれを記念して、タゴール翁の伝記映画の製作を企画しタゴールとは同郷でこの文豪とゆかりの深い巨匠サタジット・レイ監督に白羽の矢を立ててその製作の全責任を委嘱した。レイは、あらゆる方面からタゴールに関する資料を蒐集し、インド国内では、各地に残る遺跡の数々を訪ねてカメラに収め、海外では、翁の生前の活躍が撮影されている古いニュース映画を探し求める。パリのシネマテークの協力を得て、主としてフランスで保存されていた昔のパテ・ニュースやゴーモン・ニュースから翁に関する当時の映像のすべてを抜萃して、一年半にわたる長い期間をかけて苦心のすえに翌一九六一年に完成した彼の最初の記念映画である。なお、全篇を流れるナレーションは、レイ自身が吹き込んだもの。この映画はインドではレイによるタゴール文学の最初の映画化作品である「三人の娘」と共に、タゴール百年祭の記念番組として公開された。レイとの名コンビを謳われているカメラマンのショウメンドゥ・ロイはこの作品と「三人の娘」の二作品で初めてレイとコンビを組んだ。
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