オリヴァー・リード
Pete
暗黒街の組織に愛する妻を誘拐され、彼女を助けるため服役中の男を連れ組織にむかう刑務所の副所長の姿を描くアクション。監督は「狼の挽歌」のセルジオ・ソリーマ、脚本はアルドゥイノ・マイウリ、マッシモ・デ・リタ、セルジオ・ソリーマ、撮影はアルド・スカヴァルダ、音楽はエンニオ・モリコーネが各々担当。出演はオリヴァー・リード、アゴスティーナ・ベリ、ファビオ・テスティ、フレデリック・ド・パスカルなど。
イタリー財界の大物の石油王が何者かに殺された。警察は容疑者としてミロ(ファビオ・テスティ)を逮捕し、ミラノの刑務所に送りこんだ。ところがある日、副所長ピート(オリヴァー・リード)の妻アンナ(アゴスティーナ・ベリ)が何者かに誘拐される。そしてピートの元にミロとアンナを交換するためにミロを脱獄させろと脅迫電話が入る。早速ピートはミロを脱獄させ、引きかえ場所へむかった。組織は石油王暗殺事件の秘密をにぎるミロを殺そうとする。ある日、逃走の途中でミロはピートのすきをみて、自由を得、ピートに手錠をかけ、自分の恋人のいる国外まで逃走をはかった。しかし組織の手は2人に忍び寄る。そして、この組織のボス、グラニエ(フレデリック・ド・パスカル)はアンナとミロの交換を急ぐ。一方、ピートは深みにはまっていった。警察でさえこの組織と手をむすんでいたのだ。孤立無援のピート。やがてピートはミロを殺害し、アンナのいるパリのあるマンションにむかった。しかし、発見したアンナは麻薬にむしばまれていた。そしてグラニエが間もなく変死体で発見される。警察は組織との関係に感づいたピートにアンナを渡すのと引きかえに、供述書をとった。ピートは黒い警察の存在を知りつつ、権利に屈し何も知らぬというこの書類にサインをした--。
[c]キネマ旬報社