ララ・ウェンデル
Laura
森の中でひと夏を過ごす、少年と2人の少女との間にくり広げられる、思春期における恋を描く。製作はフランコ・カンチェリエーリ、監督・脚本はピエル・ジュゼッペ・ムルジア、撮影はエリアス・ロター・スティッケルブルックス、音楽はピッポ・カルーソが各々担当。出演はララ・ウェンデル、マルティン・レーブ、エヴァ・イオネスコなど。
ラウラ(ララ・ウェンデル)は、毎年、夏になると、両親と一緒に山荘で数ヵ月を過ごすことにしていた。今年も、ラウラは森に住む少年ファブリツィオ(マルティン・レーブ)と、大人たちの知らない二人だけの遊び場で再会した。しかし、ファブリツィオは妙によそよそしく、ラウラを見る目も変わっていた。ファブリツィオの夢は、森を支配している山に登ることで、今年こそ山に登る、とラウラに言い、彼女を連れて山に登った。雨を避けるために入った洞窟で二人はキスをしあった。ある日ファブリツィオは、森のはずれの別荘でブロンドの少女、シルビア(エヴァ・イオネスコ)と出会い、一目で魅せられ、翌日、ラウラにシルビアを誘ってこいと命令する。二人だけの世界にシルビアが入り、状況は一変していった。シルビアは王妃のようにふるまい、ラウラを侍女として扱い、ファブリツィオもシルビアに従った。ある日、シルビアを山にある洞窟に連れていったファブリツィオは、自分といっしょに森にいてくれという願いを拒んだ彼女をナイフで刺してしまう。いっしょについてきていたラウラは、いつの間にか洞窟を出ており、その後、ファブリツィオがどうなったのかも、そしてシルビアがあの洞窟でいまも眠っているのかも、わからなかった。鮮烈に残っているのは、ファブリツィオがシルビアを刺した瞬間--そして、ラウラが少女から脱皮し、自分の置かれている状況を認識した遠いあの日の思い出だけなのだった。
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