アレハンドロ・ホドロフスキー
El Topo
黒ずくめガンマン、エル・トポが活躍する。残酷なヴァイオレンス・メキシコ・ウェスタン。製作はアレン・クライン、監督はアレハンドロ・ホドロフスキーで、主演、脚本、音楽、衣裳、美術と一人六役をこなしている。撮影はラファエル・コルキディ、編集はフレデリコ・ランデロスが担当。出演はアレハンドロ・ホドロフスキー、マーラ・ロレンツィオほか。日本版字幕は岡枝慎二。カラー、スタンダード。一九七〇年作品(一九七四年アボリアッツ映画祭審査員特別賞受賞)。
エル・トポ(アレハンドロ・ホドロフスキー)は流浪のガンマンで、息子ブロンティス(ブロンティス・ホドロフスキー)を連れて旅をしている。ある日、村を襲った山賊を退治した。退治した大佐の女マーラィ(マーラ・ロレンツィオ)を見染め、息子を置き去りにし女と出発してしまう。女にそそのかされたエル・トポは、東洋哲学者、超能力者、自然主義者、砂漠の聖者などの人格高潔な四人のガンマンを極めて卑劣な手段で倒すが、途中で拾った女ガンマン(ポーラ・ロモ)とマーラィが同性愛に走ってしまう。二人の女に裏切られ、エル・トポは瀕死の目に合う。二十年の歳月が流れ、怪しげな人々の群れの中で覚醒する。そこはフリークスで充満する地底であった。地底の人々を救うためにトンネルを掘る。そこに教会の神父に成長した息子がおり、父への復讐に燃えていたが、父子は休戦して共にトンネルを掘ることにする。しかしトンネルが貫通した時、地下のフリークス達はエル・トポの制止もきかず、近隣の町に押しかける。彼らは、恐慌をきたした町の人々によって皆殺しにされてしまう。この大虐殺を見たエル・トポは異常な強さを発揮して町を掃討してしまうが、彼自身も焼身自殺をしてしまう。残された小人の妻はエル・トポの子を産み、神父の息子は彼らを連れ町をあとにする。エル・トポの墓は蜜蜂におおい隠されている。
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