アドリアーナ・アスティ
Gina
コミュニストであることを自認しているブルジョワ出身の青年が自分の思想の欺瞞性に思い悩む姿を描く。監督・原案・脚本は「殺し(1962)」のベルナルド・ベルトルッチ、共同脚本はジャンニ・アミーコ、撮影はアルド・スカヴァルダ、音楽はジーノ・パオリとエンニオ・モリコーネが担当。出演はアドリアーナ・アスティ、フランチェスコ・バリッリほか。
62年4月、復活祭の少し前のとある日曜、共産党員でマルクス主義者を自認するファブリツィオ(フランチェスコ・バリッリ)は、自らも属するブルジョワ階級の婚約者クレリア(クリスティーナ・パリゼット)との訣別を決意し、最後に一目彼女を見ておこうとパルマの教会へと向っていた。そんなある日、彼は13歳の時からの親友アゴスティーノ(アレン・ミジェット)の突然の死に、深いショックをうける。その頃、ミラノの生活の倦怠に苦しみ神経症気味のジーナ(アドリアーナ・アスティ)がファブリツィオの家に滞在し、やがて彼は母の妹である彼女と愛しあうようになるが、家族は誰も二人の関係に気づかなかった。そしてファブリツィオは、ある日ジーナが見知らぬ男とホテルから出て来るのを見て激しい嫉妬にかられたり、二人で出かけたポー河の沼地で再会した無気力な没落貴族プック(チェクローペ・バリッリ)に将来の自分の姿を認めるのだった。やがてジーナはパルマを去っていった。6月15日、公園では、「赤旗祭り」の準備が進められていたが、ファブリツィオの心は沈み、党のイデオロギーに幻滅を感じていた。12月29日、パルマの歌劇場でオペラ・シーズンが開幕した。街のブルジョワたちの中にファブリツィオとクレリアの姿もあった。二人は近く結婚することになっていた。彼はロビーで顔を合わせたジーナに「このほうがよかったんだ、僕にはどうしようもなかったんだから」と告げる。結婚式の日、新婚旅行に出発する二人を見送るジーナの目には涙が光っていた。
Gina
Febrizio
Agostino
Cesare
Clelia
Puck
Una bambina
Un amico
Il pittore
[c]キネマ旬報社