ジャン・ポール・ベルモンド
Henri
ロケ先でめぐり逢った中年の映画女優と作曲家のラブ・アフェア、その微妙な心理のひだ。製作は「パリのめぐり逢い」のアレクサンドル・ムヌーシュキンとジョルジュ・ダンシジェール、監督・撮影・脚本はクロード・ルルーシュ、台詞はクロード・ルルーシュとピエール・ユイッテルヘーヴェンの共作。衣裳はピエル・バルマン、音楽は「雨の訪問者」のフランシス・レイ、編集はクロード・バロウがそれぞれ担当。出演は「暗くなるまでこの恋を」のジャン・ポール・ベルモンド、「パリのめぐり逢い」のアニー・ジラルド、マリア・ピア・コンテ、マルセル・ボズフィなど。
今、ここサンフランシスコ空港では、映画のロケが行なわれていた。フランスの映画女優フランソワーズ(A・ジラルド)は、スタッフとの和気あいあいの雰囲気の中で、不倫の恋にかける人妻を演じていた。そして、本番を撮りおえたロケの一行は、ハリウッドの撮影所に移った。この映画の音楽を担当しているアンリ(J・P・ベルモンド)は、ある夜、フランソワーズをホテルのバーへ誘った。アンリの気さくな人柄とユーモアに、彼女は楽しい夜を過すことが出来た。やがてロケ撮影が終り、僅かの休暇が訪れた。さっそく、アンリは、熱心にフランソワーズをラスベガスに誘った。このささやかな背徳のラブ・アフェアは、フランソワーズにとって魅力であった。いまや、おのおのが決った時間に、アンリは妻(M・P・コンテ)、フランンワーズは夫(M・ボジュフィ)と、電話で話し合うことだけが、彼らを日常に結びつけていた。しかし、このサラリと割り切ったはずのラブ・アフェアも、自然と本物の恋にエスカレートし、フランソワーズはもの想いに沈むようになった。自分の心の動揺に危惧を感じた彼女は、一人アンリを南部の町に残し、ニューヨークへ立った。彼女の胸には、さびしげにさまようアンリのイメージがかすかなうずきとともに浮んでいた。いよいよ彼女が帰国する日、アンリから再会を希望する電話が来た。フランソワーズは家族のもとに帰ったが、家庭には断層が出来ていた。アンリとの約束の日、彼女は少なからず夢を抱いて、ニースへ出かけた。だが、彼はついに姿を見せなかった。ひとり立ちつくすフランソワーズの頬に、いつしかどうしようもない自嘲の笑みが浮んで消えた。
監督、脚本、撮影、台詞
製作
製作
音楽
編集
衣装デザイン
台詞
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