ジェーン・アッシャー
スーザン
火となって燃えあがる十五歳の少年のういういしい異性への願望を描く。製作はヘルムート・イエデレ、監督はポーランド出身の新鋭イェジー・スコリモフスキー、脚本はスコリモフスキーとJ・グルーザ、B・サリク、撮影はチャーリー・スティンベルガー、音楽はキャット・スティーブンス、編集はバリー・ビンズが各々担当。出演は「きんぽうげ」のジェーン・アッシャー、「初恋(1971)」のジョン・モルダー・ブラウン、ディアナ・ドース、カール・マイケル・フォーグラー、クリストファー・サンフォード、バート・クウォーターなど。2018年1月13日よりデジタル・リマスター版が公開(配給:コピアポア・フィルム)。
マイク(J・モルダー・ブラウン)は、家から少し離れた所にある公衆浴場の仕事に応募した。マイクの希望は受け入れられ、早速接客係の若い娘スーザン(J・アッシャー)に仕事の手順を教えてもらうことになった。彼女は、男の浴室係になったマイクに、時どき持場を変えようと提案した。お互いに異性の客についた方が、チップがはずむこともあるというのだ。確かに、マイクは女客に人気があった。あるブロンド美人の客(D・ドース)などは、彼を抱きすくめながら、きわどい言集で熱くささやきかけたりした。一方、スーザンはスーザンで、沿場に付属した温泉プールの水泳教師(K・マイケル・フォーグラー)と仲良くやっていた。彼はかつてマイクの学校の体操教師でもあった。マイクは、彼に対していつも小バカにしたような態度をとり続けるスーザンに惹かれていった。しかし、スーザンはマイクが童貞だということを知ってますます軽蔑するようになった。腹が立ったマイクは、彼女と婚約者(C・サンフォード)の後をつけ、映画館で前に座った彼女を、うしろの席から愛撫し始めたが、スーザンは潮どきを見て彼をひっぱたき、怒った婚約者は、ことの次第を支配人に告げた。警官が来たが未成年のマイクはそのまま放免された。数日後、スーザンたちがクラブへ踊りに行くことをかぎつけたマイクは、その後をつけ、通りのストリップ小屋にスーザンそっくりの切り抜きが飾られているのを見ると、隙を見てそれを盗み、婚約者と別れた彼女を追いかけて地下鉄に飛び乗った。マイクはスーザンに、彼女がヌードモデルに似ていることや、水泳教師との関係を大声でののしった。そこには多くの乗客がいたが、彼は嫉妬で気も狂わんばかりだった。浴場に帰ったマイクは、裸になって、プールに投げ入れたモデルの切り抜きを水中で抱いた。彼の頭の中で、いつの間にか切り抜きが本物のスーザンに変っていた。翌朝、水泳教師とドライブするのをマイクに邪魔されたスーザンは、彼の顔をしたたか打ったはずみで、婚約指輪をなくしてしまった。二人は、周囲の雪をポリ袋につめ、浴場に持ち帰った。休日のために水を抜いてあったプールに雪を拡げて溶かし始めた。そして彼女が婚約者に電話している間に、マイクはダイヤを見つけだした。彼は裸になり、プールの底に横たわった。ダイヤを舌の先にのせ、彼女を誘うマイクに、スーザンは裸になって近づいていった。しかし、待ちに待った瞬間なのにマイクには何もできなかった。“ママ”とつぶやく彼を尻目にスーザンは婚約者の元へ行こうとした。必死で引き留めるマイク。そんな時、裏では出勤してきた浴場のかまたきが、プールに水を満たし始めた。どんなに引き留めても聞き入れてもらえず絶望的になったマイクは、雪を解かすために下に降ろしていた天井の大きなライトを彼女めがけて投げつけた。重いライトがスーザンの頭に当たり、彼女は沈んでいった。マイクは、死にかけたスーザンを抱きよせ、水かさの増したプールの底へ、一緒に沈んでいった。
スーザン
マイク
女性客
Swimming in struchor
The Fiance
監督、脚本
脚本
脚本
製作
撮影
音楽
編集
字幕監修
[c]キネマ旬報社