マーロン・ブランド
Peter Quint
二十世紀初頭、イギリスの田園風景の中にそびえ立つ大邸宅に住む人間たちが織りなす相剋のドラマ。原作はヘンリー・C・ジェームズの「ねじの回転」で、一九六一年のデボラ・カー主演、ジャック・クレイトン監督「回転」に続いて二回目の映画化。製作総指揮はジョゼフ・E・レヴィン、製作・監督は「チャトズ・ランド」のマイケル・ウィナー、脚本はマイケル・ヘイスティングス、撮影はロバート・ペインター、音楽はジェリー・フィールディングが各々担当。出演はマーロン・ブランド、ステフアニー・ビーチャム、ソーラ・ハード、ハリー・アンドリュース、ベロナ・ハーベイ、クリストファー・エリスなど。
早春のある日、ブライ邸の応接間では、これからロンドンにでかけようとするこの屋敷の後見人(H・アンドリュース)が家政婦のミセス・グロース(T・ハード)に、今後の指示を与えていた。このブライ邸はロンドンの郊外に広大な領地を持つ大地主だったが、幼い姉弟、フローラ(V・ハーベイ)とマイルズ(C・エリス)の両親はインド滞在中、自動車事故で死亡したため、姉弟が財産を管理できるようになるまで、伯父が後見人になっているのだ。両親の死は、まだ二人に知らされていなかった。後見人がロンドンに立ったあと、この広大な邸には、姉弟と、家庭教師のジェスル(S・ビーチャム)、ミセス・グロース、下男のピーター・クィント(M・ブランド)の五人が残された。クィントは無知で粗野であり、後見人には嫌われていたが、屋敷内でただ一人の男性ということで、辛うじて首がつながっていた。しかし、幼い子供たちにとって、クィントの占める地位は大きかった。外での遊びはすべてクィントに教えられ、実生活での知恵もすべて彼によるものだった。従って、二人はクィントのいうことを盲目的に信じて行動していた。その迷信のような知恵はときとしてミセス・グロースを困らせた。だが、それだけならまだしも、クィントは乱暴で邪悪な心の持主だった。家庭教師のジェスルは、ある晩、クィントに犯され、以来肉体関係をしいられ続けてきた。心ではクィントを憎悪しながらも、夜ごとの侵略を拒みきれず、いつの間にか愛欲の世界に溺れていた。その上、クィントはサディストだった。ある日、たまたま寝室をのぞき見したマイルズは、二人のからみ合う姿を目撃し、それがどういうことかとも判らないまま、姉のフローラをさそってクィントとジェスルの真似をするようになった。こうした好奇心のかたまりのような子供たちの言動はクィントとジェスルを追いつめていった。教会の墓守として、貧しいが誠実な父の許で育てられたジェスルは罪の意識にさいなまれ、一日として心の安らぐ日がなかった。二人の関係はミセス・グロースに知られてしまい、烈火のごとく怒った彼女のためにクィンドは出入禁止にされてしまった。グロースに問いつめられて自分の罪を恥じたジェスルも、この屋敷を去る決心をした。そんな彼女のもとにクィントからの手紙が届いた。別れる前に一度あいたいので、庭にある池のそばまできてくれというのだ。これが子供たちの計略とも知らず、池に浮いていたボートに乗ってこぎ始めた。そのボートは子供たちの手によって穴があけられていたためにたちまち沈みだし、泳げない彼女は溺死した。一方、クィントもさそいだされ、池の中に浮かぶジェスルを発見した。呆然として森をさまようクィントの胸に、マイルズの放った矢がつきささった。
Peter Quint
Miss Jessel
Mrs. Grose
Master of the House
Flora
Miles
監督、製作
脚本
原作
製作総指揮
撮影
音楽
字幕監修
[c]キネマ旬報社