ジョー・ダレッサンドロ
Nicholas
内臓に異常な愛情を抱くフランケンシュタイン博士が男女の人造人間を作り上げるまでの物語。製作総指揮はカルロ・ポンティ、製作はアンドリュー・ブローンズバーグ、監修はアンディ・ウォホール、監督・脚本はポール・モリセイ、撮影はルイジ・クヴェイレル、音楽はカルロ・ジッツィが各々担当。出演はジョー・ダレッサンドロ、ウド・キア、モニーク・ヴァン・ヴーレン、アルノ・ジュエギング、サージャン・ゼルノビクなど。
フランケンシュタイン男爵(U・キア)はドイツの伝統ある貴族の一族に生まれた。彼は医学を志してはいたが、本当の研究目的は地上最高の優秀な人種を人為的に造り出すことにあった。人間の優れた部分を合せて完璧な人造人間の男女を造り、二人を交合させてさらに優秀な子孫を誕生させるというものだった。男爵は実姉のカトリン(M・V・ヴーレン)を妻にして子供が二人あった。こうした神をも恐れぬ実験は、助手のオットー(A・ギェリング)と共に着々と計画を進め、あとは男の人造人間に優秀な首を接合するばかりだった。彼らが物色していたのは性に強い男だ。ある夜売春宿で三人の女を相手にしていた男を発見し、その帰り道にデカいハサミでその男の頭を切りとる。実はこれが間違いのもとで、実はその男(S・ゼルノビク)はホモだったのだ。そのホモ男の友達ニコラス(J・アレッサンド)こそが彼らの目ざす男だったのだ。ニコラスは男爵家の召使だったが、セックスマニアのカトリンに誘惑され、関係をもっていた。一方、古城の地下実験室では首の接合が成功し、二人は勇んで男女の人造人間を交合させようとするがうまくいかなかった。そんなこととは知らないカトリンはニコラスとの痴話喧嘩のあげく、ヤケになって地下室に潜入し、男の人造人間をベッドに誘う。しかし彼は女の扱い方を知らないためにいたずらに固く抱きしめるばかりで、その怪力のためカトリンの骨を砕いて殺してしまう。友達を殺された怒りから、このフランケンシュタイン家の謎に挑戦したニコラスは単身地下の実験室に潜入するが捕えられてしまう。だが、オットーが女の人造人間を壊してしまったことから男爵とオットーは仲間割れし、酸鼻をきわめる光景が展開される。最後に残った男爵も男の人造人間に背後から槍で刺されて殺されてしまう。
Nicholas
Frankenstein
Katrin
Otto
Man Monster
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