マリリン・モンロー
Sugar
「昼下りの情事」のビリー・ワイルダーが製作・監督にあたった喜劇映画。1920年代、禁酒時代のアメリカ風俗を背景に、ギャングやチャールストン・ダンスなどをからませたウィットに富むドラマが展開する。脚本はワイルダー自身と「昼下りの昼下りの情事」のI・A・L・ダイアモンド。撮影は「さまよう青春」のチャールズ・ラング。音楽はマティ・マルネック。出演は「王子と踊子」のマリリン・モンロー、「挑戦者」のトニー・カーティス、「媚薬」のジャック・レモン、「悪徳警官」のジョージ・ラフト、パット・オブライエン、ジョー・E・ブラウン、ジョージ・E・ストーン、ジョアン・ショーリーー、ビリー・グレイら。篇中カーティスとレモンは、作品全体の4分の3近くを女装で通すという趣向がこらされている。製作ビリー・ワイルダー。
禁酒時代のシカゴのもぐり酒場。サキソフォンを吹いていたジョー(トニー・カーティス)と、バス・ヴァイオルを弾いていたジェリー(ジャック・レモン)は、酒場に警察の手入れが入って失職した。困った2人は新しい仕事場へ都落ちするため、ガレージに自動車を借りに出かける。ところがそのガレージで、彼らはギャングの殺人を目撃する。折からの聖ヴァレンタインの日を期して、2人がもと働いていた酒場の持ち主スパッツ・コロンボ(ジョージ・ラフト)が、もぐり営業を密告した男に機関銃弾をぶちこんだのである。逃げ出した2人は、コロンボ一味に狙われる身の上となった。生命の危険を感じた2人は、ジョーがジョセフィン、ジェリーがダフニと名を変えて、女装して女性オーケストラ一行にまぎれこみ、マイアミ演奏旅行に出発する。オーケストラの一員に、ウクレレ奏者の金髪娘シュガー(マリリン・モンロー)がいた。ジョーは一目でシュガーに惹かれたが、彼女は過去に6回もサキソフォン吹きとの恋愛に失敗し、今度は成金と結婚しようと狙っている娘だった。それに女を装う身の上では、求愛もできない。一方ジェリーのダフニは、マイアミで年輩の大金持の御曹子オスグッド3世(ジョー・E・ブラウン)に一目惚れされてしまう。そこで一計を案じ、ジョーは男の姿に戻って石油成金と偽り、シュガーをつれ出す。そしてジェリーの誘いで外出したオスグッド3世のヨットを使い、彼女と愛をささやくことに成功。2人の二重生活が進行中のそんなある日、ギャング達の集会がマイアミで開かれ、スパッツ・コロンボが一味をつれてオーケストラ一行と同じホテルにやってきた。びっくりした2人は、正体を見破られかけて逃げ出す仕度をする。ギャングの集会では、勢力拡張を計るコロンボが組織の怒りをかい、集会の席上で突然射殺される事件が起こる。そんな騒ぎのうちに、ジョーは実は自分は男だと打ち明けて、シュガーとともに安全なヨットに逃れる。ヨットに向かう途中、ジェリーもオスグッド3世に、自分が男である身の上を打ち明ける。しかしオスグッド3世は、平然として言った。「誰でも完全な人間なんてありはしない」と。
Sugar
Joe
Jerry
Spats
Muligan
Osgood
Bonaparte
Sue
Poliakoff
Toothpick
Beinstock
監督、脚本、製作
脚本
原作
原作
撮影
音楽
音楽監督
美術
編集
衣装デザイン
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