シルヴィア・クリステル
Andrea
性に眼ざめた十代の男女の性体験を描く。監督はウオルフガング・バウアー、撮影はハインツ・ヘルシャー、音楽はゲルハルト・ハインツが各々担当。出演はシルヴィア・クリステル、エッケハルト・ベレ、ジャン・クロード・ブイヨン、テリー・トルダイなど。
十七歳の高校生パウリ(E・ベレ)は夏休みを父の別荘で過ごすために、列車に飛び乗った。酒とタバコは体験ずみの彼にとっての最大の関心事はセックスだ。このバカンスこそはと期待に胸をふくらませていた。パウリはその列車洗面所の中で、一人の豊満な美女と行きずりの逞しい男のセックスを目撃して興奮した。やがて列車は父ラルフ(J・C・ブイヨン)の待つ駅に到着し、その女もそこで下車した。別荘に向かう車の中でその女に紹介された。女は父の恋人でイボンヌ(T・トルダイ)といった。緑に囲まれた湖畔の別荘で父とイボンヌは早速ベッド・イン、いたたまれなくなったパウリは湖へ出た。そこで出会ったのが隣りの別荘で暮らす美少女のアンドレア(S・クリステル)だった。妖精のように美しいアンドレアもまたセックスに関心をよせており、パウリの視線を感じた彼女は大胆にも彼の前で水着を脱ぎ始めたが、パウリは当惑するばかりだった。数日後、アンドレアを誘ったパウリと彼の悪友エアハルトはモーターボートを走らせた。三人はマリファナを吸いながらもうろうとしていたが興奮したエアハルトはアンドレアに襲いかかった。パウリとエアハルトは取っ組み合いの喧嘩になり、エアハルトはボートから転落した。パウリは必死で助けようとしたが、エアハルトは溺死した。パウリのショックは大きく、事故以後、部屋にとじ込もったままだった。そんな息子の様子をみかねた父は、イボンヌと相談して、パウリとアンドレアを連れてベローナ旅行に出発した。ベローナに来て憔悴したパウリの心もしだいに和んできた。ある夜、静寂なコロセウムの片隅で父とアンドレアの淫らな姿を目撃した。その夜遅く、パウリの様子を心配したイボンヌが部屋にやってきた。事の一部始終を知ったイボンヌは静かにパウリをベッドへ導き優しく慰めた。パウリはイボンヌの柔かい肌のぬくもりに包まれて生きる力を取り戻そうとしていた。パウリは一人前の男となって愛するアンドレアの前に立つことが出来るのだ。雨上がりのテニス・コートで若い二人は激しく愛し合った。
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