ラルフ・リチャードソン
Baines
「文化果つるところ」のキャロル・リードが製作・監督した一九四八年作品で、「第三の男」と同じく、グラハム・グリーンの短篇小説を、グリーン自身が脚色した。附加台詞はレスリー・ストームとウイリアム・テンプルトン、撮影は「老兵は死なず」のジョルジュ・ペリナール、作曲は「邪魔者は殺せ」のウィリアム・オルウィンの担当。主演は「超音ジェット機」のラルフ・リチャードソン、「ガラスの城」のミシェル・モルガン、この作品のために発見された少年ボビー・ヘンリーの三人で、ソニア・ドレスデル、デニス・オディア(「艦長ホレーショ」)、ウォルター・フィッツジェラルド(「宝島」)、カレル・ステパネック、ジョーン・ヤング、ジャック・ホーキンス(「マレー・ゲリラ戦」)らが助演する。
ロンドンに駐在する某国大使館での出来事。ある土曜日、大使は週末を利用して長い間病気静養中だった夫人を迎えに出かけて行った。広い大使館は、大使の令息フェリップ少年(ボビー・ヘンリー)、従僕頭ベインズ(ラルフ・リチャードソン)、そしてベインズ夫人(ソニア・ドレスデル)の三人が留守番になった。ベインズ夫人はヒステリックで厳格な性格なので、フェリップは彼女を嫌い、自然ベインズをしたっていた。ベインズも以前から冷い妻に対して愛情を失っており、数カ月前から働いている若いタイピスト、ジュリイ(ミシェル・モルガン)の美しさと女らしさに惹かれ、二人はいつしか恋におちていた。だが、ジュリイは陰でベインズを愛している苦しさに堪えきれず、週末明けの月曜には仕事を辞めて立去るとベインズに申出た。ベインズはジュリイに、妻と話をつけるから思いとどまるようにと告げたか、いざ妻に話を切り出そうとすると逆にやりこめられてしまった。翌日曜、ベインズとジュリイの間を疑うたベインズ夫人は、外出を装って大使館内にかくれ、ベインズらの行動を監視した。ベインズはジュリイとフェリップをともなって動物園へ出かけ、帰ってみると、ベインズ夫人から火曜まで帰らぬという偽装の電報がとどいていた。三人は楽しい晩餐を共にし、ジュリイは大使館に泊ることにした。フェリップはペットとして愛玩していた小蛇のマクレガーがベインズ夫人に殺されてしまったことを知りひどく悲しんだ。ベインズとジュリイは、フェリップをなぐさめるため一緒に隠れんぼをして遊んでやった。やがてひとりベッドに入って眠りかけたフェリップのところに、嫉妬に狂ったペインズ夫人があらわれ、ジュリイとベインズの居どころを聞き出そうと激しくせまり、次いで出て来たベインズと口論した。ベインズの立去ったあと、夫人はホールの上のベランダからジュリイの部屋をのぞこうとして、誤って階段の下に墜落し死んでしまった。フェリップはベインズが正当防衛で夫人を殺したものと思い込んで彼をかばうので、警察はベインズが殺したと疑いはじめた。だが、ベランダにたおれていた植木鉢の上に夫人の足跡があったことから過失死と認められた。だが、フェリップはその足跡が別のときにつけられたものであることを知っており、そのことを刑事に告げようとしたが、誰も耳をかたむけてくれなかった。フェリップはいつも嘘をつくなと教えられていたのに、真実を云ってもとりあってくれない大人たちに失望した。そこへ、大使と大使夫人が帰って来て、フェリップを優しく呼びよせた。
Baines
Julie
Felipe
Mrs.Baines
Det.Insp. Crowe
Dr.Fenton
First Secretary
Mrs.Barrow
Mrs.Patterson
Det.Hart
Det.Lake
Det.Davis
Clockwinder
Perry
Dr. Wilson
Policeman A
Police Sergeant
Rose
監督、製作
原作、脚色
撮影
音楽監督
編集
音響監修、音響監修
録音
録音
作曲
セット
セット
台詞
台詞
[c]キネマ旬報社