イグナチー・マホフスキー
Biskupik
アレクサンドル・シチボル・リルスキの脚本を、イェジー・カワレロウィッチが監督した政治的スリラー映画。撮影をイェジー・リップマンが受けもち、音楽はアンジェイ・マルコフスキー。出演するのは、ズィグムント・ケンストウィッチ、アドルフ・フロニッキー、タデウシュ・ユラシュ、イグナチー・マホフスキー、アントニー・ユラシュ、エミール・カレウィッチ、ハリーナ・プルズィビルスカ、マリアン・ランチ、バルバラ・ポロムスカ等。製作ステファン・アダメック。
疾走中の列車から飛降りた男があった。顔は粉砕されて身許を調べる手がかりもなかった。--この死体を見た医師クニーシン(ズィグムント・ケンストウィッチ)は戦時中の奇怪な事件を思い出した。当時、彼は、地下組織に属し、ビスクピック(イグナチー・マホフスキー)という男の経営する修理工場をアジトに活動していた。ある日、クニーシンの隊は武器購入の資金を得るためドイツ系の店を襲った。そのとき別の一隊が店に現れ、互に敵と誤認した二隊は激しく射ち合い、クニーシンを除いて全員死傷という結果となった。クニーシンは、この同志討ちを偶発的なものでなく誰かの仕かけた罠と、その後考えたが首謀者は未だに分らなかった。--鉄道事故の直後、付近の駅で無賃乗車の青年労働者が捕えられた。この青年ミクーラ(タデウシュ・ユラシュ)は無賃乗車の理由をなかなか言わなかったが、青年を引取りに行ったカルボウスキー(アドルフ・フロニッキー)は戦争直後のある出来事を思い出した。彼は当時、政府軍に従い、「チビ」という首領の率いる武装ギャング団を追っていた。ヤシチカという兵士と一緒に彼は敵の本拠に潜入したが、ヤシチカは実は敵のスパイだった。彼は自ら手榴弾を爆発させ脚を吹飛ばされながら辛うじて助かった。ヤシチカは、党の有力者ビスクピックの推薦で政府に採用された兵士であった。--さて、ミクーラは自白した。彼は炭鉱で働いていたが、ある有力者の頼みで炭鉱に送り込んだ数人の男が坑内で放火し多くの犠牲者を出した。ミクーラは容疑者として警官に追われたが、身の明しを立てるため、例の有力者を探し、彼を列車の中に追いつめ、遂に突き落した。この男こそビスクピックだった。こうして、対独戦中、内乱時代、現在を通じて、常に事件の裏にあった“影”は、一つにつながってきた。
Biskupik
Antoni
Jasiczka
Tekla
Stefan
Magda
Knyszyn
Karbowski
Mikula
監督
脚本
製作
撮影
音楽
美術
編集
[c]キネマ旬報社