レイモン・ロワイエ
Jean Morin
「黒いオルフェ」のマルセル・カミュ監督作。カミュ自身の原作をカミュとジャック・ヴィオが共同で脚色し、撮影に当ったのはマルセル・グリニョン。音楽を担当しているのはフランスのアンリ・クロラとブラジルのホセ・トレド。出演しているのは舞台出のレイモン・ロワイエ、エルガ・アンデルセン、「黒いオルフェ」のルールディス・デ・オリヴェイラ、レア・ガルシアなど。他に原地人多数が出演している。
ブラジル大陸のアマゾン流域ジャングル地帯で、フランス人モラン(レイモン・ロワイエ)はダイヤを発見した。しかしパートナーのドイツ人クルトがこれを奪いモランは致命傷を負った。黒人ベイジャフロールに救われ一命をとりとめたモランは、ベイジャフロールと共にクルトを追って旅に出た。マナオスを経てベレムに二人は足をふみ入れた。そこでモランはかってのクルトの恋人だった歌手のドイツ女エルガ(エルガ・アンデルセン)を知った。彼女も一行に加わった。三人はセアラ州を抜け北東海岸フォルタレザに出た。モランとエルガは互にひかれるものを感じた。が、苦しい旅に耐えかねたエルガは途中で落伍した。傷心のモランは美しい混血女スザンナを知って彼女を求めた。けれど彼女は逃れ去りモランは再び希望を失った。そうしたモランをベイジャフロールはバイアへつれていった。ベイジャフロールはそこで結婚式をあげた。モランのさがすクルトも同じ土地にきていたが、黒人たちはモランとクルトを会わせまいと骨を折った。博物館に閉じこめられたクルトは集落の老人を殺して逃げた。モランはこの老人の死に対する責任が自分にあると考え、自責の念にかられた。やがてモランは建築技師として新首都ブラジリアにやってきた。そこにクルトもいた。対決する二人。その時クルトの頭上に巨大な機械がおちかかってきた。モランは身をもってクルトを助けた。二人の間の憎しみは今はもうすっかり消えていた。ブラジルの新天地の中で、二人は手を握った。ベイジャフロール夫妻がスザンナをつれて、モランをさがしにきた。
Jean Morin
Suzana
Elga
Beijaflor
Herminia
Curd
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