監督
“キンゼイ報告”の映画版といわれるこの作品は、週刊誌の身の上相談を基に書かれた女流作家ガブリエラ・パルカの『イタリア女性は告白する』にヒントを得て、チェザーレ・ザヴァッティーニがシナリオ化したセミ・ドキュメンタリー映画。ザヴァッティーニは、映画化にあたり若くて優秀な十一人の新鋭監督を選出した。この十一人の中には、フェリーニの弟子ネロ・リージ、紅一点のロレンツァ・マツゼッティ、フランチェスコ・マゼリ、ジャンフランコ・ミンゴッツィなどがいる。テーマは一貫して、偏見に苦しむイタリア女性の姿を描いているが、ザバッティーニが総監督したともいえる。撮影は七人の手になるが、音楽はジャンニ・フェリオが総括して担当。出演者は、全部新人およびロケ先の素人を起用している。マレノ・マレノッティ製作。
ストーリー
*娘・母*・--ミラノ。男にだまされ妊娠して捨てられた娘が病院を訪れ、分娩の光景や育児の世界を眺めるうちに、新しい人生へのスタートを意識する。*子供の性教育*--ローマ。子供はどこから生まれるのか。幼い子供たちの素朴な疑問は大人を困惑させる。お医者さんごっこに興ずる子供への回答は、まことに無責任であるようだ。*少女と恋*--ローマ。生まれて初めての恋。多感な乙女の告白は大人をびっくりさせる。世間態をはばかり大騒ぎする母親と、物静かに説得する父親とが、対象的だ。*顔の傷*--ナポリ。下町の通りで、男に愛想をつかした女が別れ話を切り出していがみ合う。男は女の顔を傷つけるが、集った野次馬は、愛すればこそ、と男の側に同情する。*初夜*--ナポリ。船の中で迎える新婚旅行の第一夜。妻が昔ある男と関係したことを知って、一方的に責める夫。彼女は一生夫に頭が上がらないだろう。*成功への執念*--フロジノーネ、ティレニア、ローマ。歌手や女優になろうとする女たち。全てを犠牲にしても現在の拍手に酔いしれるのだ。*不貞*--ローマ。一見、いたって円満な子持ちの夫婦。だが夫は外で、妻は家庭でお互に浮気をしている。それでも空しい夫婦生活を続けていくのだ。*馬鹿げた結婚*--トリノ。結婚して二年、夫は突然冷たくなった。原因を知った妻のおどろき。夫は男色になったのだ。だが、それは離婚の理由にならない。いつも損をするのは女の方だ。*白い未亡人*--ガラティア。貧しい村で男は海外へ出稼ぎに行く。残された女たちは、その淋しさを強烈な踊りでなぐさめる。*法的別居*--ローマ。お互に善意がありながら、愛し合えなくなってしまった夫婦の感情を描いたはなし。*愛のあかし*--パルマ近郊のポー河。夏のある夕刻。河の畔で開かれた野外ダンスパーティーにやって来た恋仲の男女、愛のあかしをと男にせがまれ女は身をまかせる。その後で、男は女を身持ちが悪いとののしり、一方的に別れて行く。
スタッフ
監督
ロレンツァ・マツゼッティ
監督
フランチェスコ・マゼリ
監督
Piero Nelli
監督
ジュリオ・クエスティ
監督
ジュリオ・マッキ
監督
マルコ・フェレーリ
監督
カルロ・ミュッソ
監督
ジャンフランコ・ミンゴッツィ
監督
フロレスターノ・ヴァンチーニ
監督
Gianvittorio Baldi
脚本
チェザーレ・ザヴァッティーニ
原作
ガブリエラ・パルカ
製作
マレノ・マレノッティ
撮影
Vittorugo Contino
撮影
サンドロ・デヴァ
撮影
マルチェロ・ガッティ
撮影
レオニダ・バルボーニ
撮影
Mauro Piccone
撮影
カルロ・ネヴィオーロ
撮影
Luigi Zanni
音楽
ジャンニ・フェリオ
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- Le Italiane e L'amore
- 製作年
- 1961年
- 製作国
- イタリア
- 配給
- 日本ヘラルド映画
- 初公開日
- 1962年7月3日
- 製作会社
- マジック・フィルム
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