イレーネ・パパス
Electra
エウリピデスのギリシャ悲劇をマイケル・カコヤニスが製作監督し、脚本も書いた。撮影はウォルター・ラサリー、音楽は「真夜中へ五哩」のミキス・テオドラキス、衣裳をスピロス・バッシリオがそれぞれ担当した。主演者は「ナバロンの要塞」のイレーネ・パパス、アレカ・カツェリ、マノス・カトラキス、ヤニス・フェルテス、ホエブス・ラジス、ノチス・ペルヤリスなど、舞台劇俳優。サロニカ映画祭・最優秀作品賞、監督賞、女優主演賞、カンヌ映画祭・最優秀技術大賞、エジンバラ映画祭・最優秀作品賞などを受賞している。
トロイ戦争から凱旋した国王アガメムノンは、彼の妃と彼女と不倫の愛に溺れる家臣アエギシウスに暗殺を計られていた。エレクトラ姫(イレーネ・パパス)とオレステス王子が外で聞いているのも知らず、妃とアエギシウスは王を虐殺し、彼が王に収った。そして幼い王子の命までも狙ったが、家庭教師達が王子を国外に逃亡させた。姫の生活は囚人のそれのようであった。歳月が流れ、一人前の娘に成長した姫の心に両親に対する憎しみは烈しかった。だが、姫は農夫のもとへ嫁がされた。或る日、成長した王子が村を訪れ、再会を喜こぶエレクトラは今こそ念願の復讐の日の来たことを悟った。家庭教師の助言で近々行なわれる儀式を契機に暗殺を企てた。儀式の夜、祝酒に酔う家臣にまぎれ込んだ王子は、見事王と王妃を討って家臣から絶大な支持を得た。父の仇を討って国中の人々にもてはやされた二人も、時が過つにつれ、民衆たちは実の母をも殺した姉弟の罪深い宿命に恐れを感じ、この国に住むことを許そうとはしなかった。
Electra
Clytemnestraa
Orestes
Chorus Leader
Electra's Husband
Pylades
Aegisthus
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