ジャン・ギャバン
Max
「肉体の冠」のジャック・ベッケルが一九五四年に監督したパリ下町映画。アルベール・シモナンの小説から、シモナン、「幸福の設計」のモーリス・グリッフ、ベッケルの三人が脚色した。撮影は「妄執の影」のピエール・モンタゼル、音楽は「巴里の空の下セーヌは流れる」のジャン・ヴィーネ。「愛情の瞬間」のジャン・ギャバン、「お尋ね者」のルネ・ダリー、「巴里の気まぐれ娘」のジャンヌ・モロー、「情婦マノン」のドラ・ドル、リノ・ボリニらが出演する。
パリの裏町にマクス(ジャン・ギャバン)とリトン(ルネ・ダリー)の、仲のよい遊び人が住んでいた。二人はオルリ飛行場に運びこまれる五千万フランの金塊に目をつけその強奪に成功した。そしてほとぼりのさめるまで隠しておき、いずれ現金にかえるつもりだった。ところが、リトンがある日ナイトクラブの女ジョジ(ジャンヌ・モロー)にうっかり金塊のことを口走ってしまった。ジョジは麻薬密売のボス、アンジェロの情婦だったのでマクスとリトンが金塊強奪犯人であることが筒抜けになってしまった。アンジェロは早速二人を捕えて金塊の隠し場所をつき止めようとしたが、マクスは逆にアンジェロの動向を探って彼の企みを知った。翌朝、マクスはリトンを足止めして臓品故買商の伯父を訪れ、金塊の処置をつけようとした。その留守中、リトンはジョジへ報復に行き、アンジェロ一味にひどい目にあわされて拉致された。マクスは必死になってリトンの行方を探すが判らない。そこヘアンジェロから、五千万フランと引換えにリトンを渡すという電話がかかって来た。金か友情か迷った挙句、マクスはリトンを救う決心をした。マクスは金塊を車に積みこんで指定の場所に赴いた。リトンと引換えに金塊を受けとったアンジェロはその場で二人を射殺しようとし、烈しい車上の射撃戦が始まった。そしてアンジェロの車は火を発して一命を失った。金塊はふたたびマクスの手に戻ったが、相棒のリトンは重傷、警官隊は刻々迫って来る。金か友情か、またしても迷ったマクスは、結局友情にひかれリトンを連れ、金塊を捨てて逃げのびた。しかし重傷のリトンはついに絶命してしまった。
Max
Riton
Josie
Lola
Angelo
Pierrot
Betty
Bouche
Angelo Fraiser
監督、脚色
原作、脚色
撮影
音楽
編集
セット
脚色
[c]キネマ旬報社