ニノン・セヴィーヤ
Helena
メキシコの製作会社カルデロン・プロの作品で監督はアルベルト・グート。撮影はカンヌ映画祭で撮影賞を受けた「狂熱の孤独」、「野女ヤスカラ」のアレックス・フィリップス、音楽は「野女ヤスカラ」のアントニオ・ディアス・コンデである。主な出演者は歌姫ニノン・セヴィーヤ、ティト・フンコ、アンドレア・パルマ、ルーベン・ローホなど。傍役に「忘れられた人々」のミゲル・インクランが出る。
メキシコの或る申流家庭の一人娘エレテ(ニノン・セヴィーヤ)は恋人が彼女の母親と途ならぬ愛慾にもだえている現場を押えたが二人は駈落ちしてしまい、父親は絶望のあまり自殺した。孤児となったエレナは世の荒波にもまれるがある日昔馴染の青年ルシア(ルーベン・ローホ)と会い彼の紹介で街のいかがわしいナイトクラブに入った。逃げ出そうとする彼女の試みも女将ロザウラ(アンドレア・パルマ)や用心棒レンゴ(ミゲル・インクラン)に妨げられて果せなかったが、ふとした悶着からルシアは女将の金をまき上げエレナを連れて逃走した。だが、ある夜手下の一人の密告から宝石商に押し入ったルシアは警察に捕まりエレナは辛くも逃げた。その後とあるキャバレーで踊りの女王として君臨していたエレナは美青年マリオ(ティト・フンコ)と恋仲となりすでに身を汚されて荒んでいた彼女も始めて男の情熱にほだされ結婚の約束を交わした。しかしマリオの邸に行き彼の母親が女将ロザウラであることを知ったエレナは身体を張って彼女への復仇を誓ったが純情な夫マリオの抗議には堪えられず彼に一切を打ち明けて別れを告げた。この時脱獄してエレナの前に現われたルシアは駈落ちを迫ったが、彼女は身につけた一切の貴重品を差出して手をひいてくれと頼んだ。残忍なルシアは貰うものは貰ったあとで彼女を背後から射殺しようとしたが以前からエレナに想いを寄せていた用心棒のレンゴが間一髪ルシアをナイフで仕止め、エレナは駈けつけてきた夫マリオの腕に固く抱きしめられた。
監督
脚本、脚色
指揮
製作
製作
撮影
編集
作曲、編曲
脚色
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