ダニエル・ダリュー
Constance
伊藤整の完訳をめぐって起訴問題を起したイギリスの文豪Ｐ・Ｈ・ローレンスの代表作『チャタレイ夫人の恋人』の初めての映画化。監督は「巴里の気まぐれ娘」のマルク・アレグレで新聞記者出身のガストン・ボヌールとフィリップ・ド・ロトシールが小説を劇化し「うたかたの恋」の作者ジョゼフ・ケッセルとマルク・アレグレが共同脚色した。台詞は、ローレンスの原作よりアレンジしている。撮影は「彩られし幻想曲」のジョルジュ・ペリナール、音楽は「やぶにらみの暴君」のジョゼフ・コスマ。主な出演者は、「赤と黒(1954)」のダニエル・ダリューがチャタレイ夫人に扮し、「白い国境線」のエレノ・クリザ、「哀愁のモンテカルロ」のレオ・ゲンと仏、伊、英の三スターが顔をそろえる。他に「別れの曲」のジャニーヌ・クリスパン、「夫は偽者」のジャン・ミュラー、「間諜都市」のジェラール・セティ等。
ストーリー
英国の大炭鉱主クリフォード・チャタレイ卿（レオ・ゲン）は、大戦で重傷をうけた。彼の下半身は永久に麻痺したままである。夫の世話をやく妻コンスタンス（ダニエル・ダリュー）は、夫婦生活を営めぬ夫に、何か満ち足りぬものを感じていた。彼女の姉ヒルダ（ジャニーヌ・クリスパン）は、愛人をつくって空虚を満すことをすすめた。だがコンスタンス《コニー》は耳をかそうともしなかった。人生に対し無関心を装うクリフォードも、自分の家名を相続する息子を望んでいた。「誰れか他の男でもいい。子供を産んでくれないか」この夫の言葉は、コニーの心に微妙な変化を与えた。この頃、新しい森番メラーズ（エレノ・クリザ）が雇われた。彼は変った男だった。戦は彼に人生の味気なさを教えた。帰還後は妻と別れ、一人暮しをする彼には、男性の威厳と自信が満ちあふれている。コニーの心はしだいにメラーズの上に傾むいて行った。身分の差も、激しい情熱は乗り越えて行く。夫の世話を看護婦にまかせたコニーは、森の小屋を訪ねるようになった。彼女は新しい人生の喜びに目覚めた。しかし、コニーは妻として悩んだ。メラーズとの仲や、妻としての立場を考え直してみたい。コニーは姉ヒルダの誘いを受けて、ヴェニスへ旅立った。だがコニーが出発した後で、メラーズの前妻ベルタが戻ってきた。嫉妬にかられたベルダは、コニーとの醜聞を云いふらした。クリフォードはメラーズを解雇し、コニーを呼び戻した。コニーは妊娠していた。子供の父がメラーズと知ったクリフォードは、下賎の子と激怒したが、子供だけは手離そうとはしなかった。彼にとっては、自分の後継者を得ることが、最も大切なことである。コニーはこうした夫に失望した。名誉も身分も、真実の幸福には関係ないことを悟ったコニーは、メラーズの許へ走り、新しい人生の門出をするのだった。
キャスト
エレノ・クリザ
Mellors
レオ・ゲン
Sir Clifford
ベルテ・ティッソン
Mrs. Bolton
ジャニーヌ・クリスパン
Hilda
ジャン・ミュラー
Winter
ジェラール・セティ
Michaelis
ジャクリーン・ノエル
Bertha
スタッフ
監督、脚色
マルク・アレグレ
原作、台詞
Ｄ・Ｈ・ローレンス
製作
ジルベール・コアン＝セア
撮影
ジョルジュ・ペリナール
音楽
ジョゼフ・コスマ
美術
アレクサンドル・トローネ
編集
スザンヌ・ド・トロイ
録音
ロベール・ビアー
劇化
ガストン・ボヌール
劇化
フィリップ・ド・ロトシール
脚色
ジョゼフ・ケッセル
コラム・インタビュー・イベント
ニュース
作品データ
- 原題
- L'Amant de Lady Chatterley
- 製作年
- 1955年
- 製作国
- フランス
- 配給
- NCC＝ユニオン
- 初公開日
- 1955年12月18日
- 上映時間
- 101分
- 製作会社
- レジー・デュ・フィルム＝オルセイ・フィルム
[c]キネマ旬報社
PR
緊迫の撮影現場の舞台裏とは？豪華キャストたちの言葉で、本作の新たな側面をひも解く！
PR
成田凌ら実力派俳優が紡ぐ、つげ義春原作、片山慎三監督最新作の唯一無二な世界の魅力に迫る
PR
痛快、爽快…それだけじゃない！上田慎一郎が『カメラを止めるな！』公開前から温めてきた作品の真髄に迫る
PR
全米＆世界で大ヒット！映画ファンと識者がひも解く、1人の女性の決意に涙する理由とは？
PR
最高の環境で映画を。 “IMAX推し”作品を毎月アップデート
PR
韓国ドラマ「愛のあとにくるもの」での日本ロケ撮影を支援！ロケ地の魅力をたっぷりお届け
PR
『グラディエーター』24年ぶりの続編『グラディエーターII 』の注目ポイントをまとめて紹介
PR
プロジェクト情報を発信。お気に入り映画館を応援し、ミニシアターの魅力を再発見しよう！
PR
女性の活躍に注目する新部門も！豪華ラインナップの「第37回東京国際映画祭」の魅力をレポート
PR
映画好きなら、このためだけにも入会する価値アリな「Pontaパス」を知ろう！
"怖い"を楽しめる情報が充実！PRESS HORRORでもっとホラーが好きになる
