リュドミラ・サベーリエワ
ナターシャ・ロストワ
レオ・N・トルストイの原作を、セルゲイ・ボンダルチュクとワシーリー・ソロビヨフが共同で脚色、ボンダルチュクが製作・監督・ナレーションを担当し、自らピエールに扮し出演もしている文芸篇。製作補佐はニコライ・イワーノフ。撮影はアナトリー・ペトリツキー、作曲・指揮はビャチェスラフ・オフチンニコフ、演奏はモスクワ・フィル。美術監督はミハイル・ボグダノフとゲンナジー・ミャスニコフ、戦闘場面の演出はアレクサンドル・シェレンコフと、チェン・ユ・ラン。出演はボンダルチュクのほかに新人リュドミラ・サベーリエワ、モスクワ芸術座のヴァチェスラフ・チーホノフ、「ハムレット(1964)」のアナスタシア・ヴェルチンスカヤほか。アグファカラー・70ミリ。
一八〇五年六月、帝政ロシアの首都ペテルベルグ。はなやかな社交界の話題の中心はナポレオンであった。若き公爵アンドレイ(V・チーホノフ)は、祖国の運命を思うにつけ、ロシアのために戦いたい情熱に燃えていた。一方、外国帰りの友人ピエール(S・ボンダルチュク)は、ナポレオンを尊敬している進歩派で、保守派の多い社交界の人々を、おどろかすのだった。彼は裕福な高官の落とし種で心の底に暗い影をいだいていた。悪童仲間ドーロホフとの、ささいないたずらがたたって首都追放の身になったピエールがモスクワの家に帰ると、父は危篤状態で、彼は臨終の床の父から実子と認められた。巨万の富が入ったが、同時に、時の権力家の娘で身持ちの悪い方で評判のエレンと結婚することになった。その頃ナポレオンのフランス軍はロシア軍に迫っていた。従軍し、ロシア・オーストリア連合軍の副官をつとめるアンドレイは、自分の中隊の兵士たちが、われさきに逃げだすのをみて、一人敵中におどりこんだ。しかし砲弾の炸裂に倒れ、意識を失った。ふと我にかえったアンドレイは、前線視察のナポレオンが馬を走らせるのをみた。だがその時の彼にとって、ナポレオンは、虚栄と名誉に執着した狂人の姿でしかなかった。一方ピエールは、愛と旧友ドトロホフとのスキャンダルに頭をいため、彼と決闘して傷を負わせ、妻には別居をいいわたした。アンドレイは、九死に一生を得て帰ったが、その夜、妻リーザは男の子を生んでこの世を去った。ピエールとアンドレイ二人の旧友は、再会しお互いに心の傷をわかちあった。一八一〇年、ロストフ伯爵家の娘ナターシャ(L・サベーリエワ)は、十八歳の春をむかえ、はなやかに社交界にデビューした。その夜こそはナターシャ一生の門出であり、アンドレイへの愛の門出でもあった。二人はワルツを踊り続けた。そして婚約、一年後の挙式を約束して、アンドレイは外国旅行にでた。しばらくは幸せにつつまれていたナターシャだったが、月日がたつにつれ、不安と焦燥にかられたのか彼女は、ハンサムな浮気男アナトリーと知りあい、はては駆け落ちの手はずまで整えた。婚約解消の手紙におどろいたアンドレイは帰国し、手紙をナターシャに返してほしいとピエールに依頼した。ピエールは重苦しい気持でロストフ家に行きいまや自分のおろかさに苦しむ、傷心のナターシャをいたわるのだった。ピエールは彼女を、少女時代からひそかに愛していたのである。一八一二年、この年ナポレオンは再びロシアに攻め込んできた。
ナターシャ・ロストワ
ピエール・ベズーホフ
アンドレイ・ボルコンスキー
イリヤ・ロストフ
ナターリャ・ロストワ
ニコライ・ロストフ
ペーチャ・ロストフ
ペーチャ・ロストフ(幼少期)
ソーニャ・ロストワ
ニコライ・ボルコンスキー
マリヤ・ボルコンスカヤ
リーザ・ボルコンスカヤ
エレン・クラーギナ
アナトリー・クラーギン
ワシーリ・クラーギン
ドーロホフ
The Uncle
ミハイル・クトゥーゾフ
ナポレオン・ボナパルト
バグラチオン
監督、脚本、ナレーション、製作
脚本
原作
製作総指揮
撮影
撮影
撮影
音楽
美術
美術
音楽演奏