ピエール・ブリス
Tissot
ヘルベルト・ライネッカーのオリジナル・シナリオを「アフリカの星」のアルフレッド・ワイデンマンが監督したスパイ・アクション。撮影はカール・レーブ、音楽はチャーリー・ニーセンが担当した。出演は「甘い暴力」のピエール・ブリス、「サイレンサー」のダリア・ラヴィ、「ダンディー少佐」のセンタ・バーガー、ハインツ・ドラッヘほか。
情報部員フィリップ・ティソー(P・ブリス)は、休暇先からパリへ呼び戻された。フランスが秘かに研究していたB五〇一という新兵器の試作品が、何者かによって盗まれたのだ。一週間後には連合国の各国防相に、この新兵器をご披露することになっている。だから一週間以内に取り戻さなければならないのだ。ティソーはまず、この新兵器を持ちだした兵器研究所員(すでに殺されている)と恋仲にあった女の線から、事件の渦中に入っていった。だがサーカスで空中ブランコの演技中女は何者かに射殺されてしまった。女の情夫ジルベール(H・ドラッヘ)は、ティソーへの協力を拒んだまま、ウィーンへ向けて出発してしまった。ティソーもまたウィーンへ。しかし車中で、彼は狙撃され、危険をひしひしと感じた。ウィーンへ着くと、同じ情報部員のヨーシャ、ブルガー、それに、美しいヴィオレッタが待っていた。彼らは相談の結果ジルベール一行のパラジウム・サーカス団が怪しいとにらんだ。そこでティソーは、サーカスの歌姫イリーナ(D・ラヴィ)に近づき、その舞台裏をさぐっていった。案の定サーカス団は国際的な犯罪組織のかくれみのだった。地下室には大量のピストルやライフルもかくされている。さらにシャン博士という東洋某国の手先も姿を現わした。しかも彼らはティソーが発見した一行の秘密の部屋でB五〇一を売り渡す交渉をしていた。この好機をつかんだティソーたちは、いっせいに対決を挑んだ。かくてワルツの都は壮絶なスパイ戦となったが敵は敗退し、彼らの首領たったジルベールの乗ったヘリコプターも撃墜された。B五〇一も無事フランスの手に戻り事件は落着した。同時にティソーとヴィオレッタの間には、ロマンスの花が見事に咲いたのだった。
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