ミレーユ・ダルク
Galia
ヴァエ・カッチャとジョルジュ・ロートネルの脚本を「女王陛下のダイナマイト」のジョルジュ・ロートネルが監督したネオ・メロドラマ。撮影は「フィフィ大空をゆく」のモーリス・フェルー、音楽はミシェル・マーニュが担当した。出演は「女王陛下のダイナマイト」のミレーユ・ダルク、「金色の眼の女」のフランソワーズ・プレボー、「大追跡」のべナンチーノ・ベナンチーニなど。製作はアンリ・ボーム。
ガリア(M・ダルク)は誰にも束縛されることのない、パリの生活に満足していた。ボーイフレンドのマチックと遊び歩くという気ままな毎日。そんなある日彼女はセーヌ川に身を投げた一人の女性を救った。彼女はニコール(F・プレボー)という中年の美人で、ガリアは自分のアパートにつれて帰った。ニコールの自殺の原因は、夫グレッグ(V・ベナンチーニ)の愛がなくなったからだと彼女自身話したが、ガリアのみたところ、彼女はまだグレッグを愛しているらしい。ガリアはグレッグに興味を持った。そして彼を尾行し、そのエゴイストぶりやプレイボーイ的行動をつぶさに観察した。ところが若いガリアには、そんな点がまた魅力でさえあった。彼女はグレッグの誘いのままに、イタリア旅行に出かけ、あっさりと身をまかせた。その日から、ガリアはグレッグとの関係の中に溺れていき、同時にニコールの前では、関係を隠す芝居を続けねばならなかった。悲劇的な予感をはらんだ三角関係が続いた。ある日マチックと公園に出かけたガリアは、グレッグとニコールが何事か話している光景を見た。この以外な光景は、ガリアの心を打ちのめすに十分だった。そして、別れを告げるつもりでグレッグに電話をかけた。だがその時、受話器を伝わってきたのはニコールの声。そして、グレッグを射殺したと告げるのだった。二人の女は、本当にグレッグを愛していたのだろう。そしてニコールの行為は復讐のためだったかもしれない。ガリアは泣いた。しかし彼女の人生はこれから始まるとさえ言えるのだ。
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