アンソニー・ステファン
Ringo
エドゥアルド・M・ブロチェロとマリオ・カイアーノの共同脚本をわが国初登場のマリオ・カイアーノが監督したイタリア製西部劇。撮影はジュリオ・ドルタス、音楽はフランコ・デ・マッシが担当。出演はアンソニー・ステファン、「シシリーの黒い霧」のフランク・ウォルフ、「続荒野の用心棒」のエドゥアルド・ファヤルドのほか新星アレッファンドラ・ニーロ、アルマンド・カルボなど。
一八九一年、ニューメキシコ。拳銃頼りに渡り歩く早射ちリンゴ(A・ステファン)と相棒の老人ティム(E・ファヤルド)はミルバーベルのホテルで、二度にわたって命を助けたメキシコ人フィデール(A・カルボ)の介抱をするうち彼の背中に地図の刺青が彫ってあるのを見つけた。それは砂金の隠し場所を記したものの半分で、もう一方は仲間のサムという男の背中にあるということだった。いよいよ砂金探しに出発という時、手下を従えた賭博師トリッキー(F・ウォルフ)が現われ仲間に加えろと脅迫してきた。四人はサムのいるサンルイの町へ馬を走らせたが、サムは今では保安官を勤めていた。その夜彼らはサム一味に小屋を急襲され逮捕されてしまった。明らかにサムの狙いはフィデールの背中の刺青であった。しかし策におぼれたサムは逆にリンゴの拳銃に倒されてしまった。さてこれで二枚の地図が揃い、欲に目のくらんだ四人の宝探しが始まった。国境を越えメキシコに入るとフィデールは山賊の一味と共謀してリンゴたちを襲った。しかし勝利はリンゴたちのもで、それまで一味にいためつけられていたそのアウグスチンの村人から感謝されるのだった。リンゴはその中で村人の迫害にあっている一味の男の妹マヌエラ(A・ニーロ)を見て同行することにした。途中女癖のよくないティムはマヌエラを襲ってリンゴに殺され、トリッキーはニセ物の地図を持って消えた。リンゴとマヌエラはとうとう砂金の隠してある洞窟に辿り着いた。とそこには四人の手下を連れたトリッキーが待ち構えていた。彼はすでに正しい地図を暗記していたのである。激しい戦いの末トリッキーは砂金一袋もろとも岩壁の下へ落ちて行った。リンゴとマヌエラは残った砂金をアウグスチン村の人々に与えていずこともなく去って行った。
[c]キネマ旬報社