キャロル・リンレイ
Susannah Kelton
怪奇小説家H・P・ラブクラフトの小説を、ネイザニエル・タンチュックが脚色し、映画は初めてというデイヴィッド・グリーンが監督した恐怖映画。撮影はケン・ホッジス、音楽はジャック・カザンが担当。出演は「バニー・レークは行方不明」のキャロル・リンレイ、「花を送らないで」のギグ・ヤング、オリヴァー・リード、「北京の55日」のフローラ・ロブソンほか。総指揮はバーナード・シュウォルツ、製作はフィリップ・ヘイゼルトン。
文明にとり残されたニューイングランドのダンウィッチ島に、新婚早々のスザンナ・ケルトン(C・リンレイ)と夫のマイク(G・ヤング)がやって来た。スザンナはこの小さな島にある家屋敷を、遺産として受取ったので、検分かたがた訪れたのだ。集落には古びた木造の家が点在していて、いかにも陰気くさく、不吉な空気が漂っていた。ふたりはスザンナのまたいとこにあたるという、島のチンピラ、イーザン(O・リード)の案内で、叔母アガサ(F・ロブソン)を訪ねた。アガサは産婆で医者を兼ね、おまけに魔女の昔話からヒントを得た予言者でもあったので、村人は彼女を恐れていた。スザンナが相続した屋敷は、恐しい怪物が住むという製粉場に隣接した、古城のように蒼然とした建物であった。家の中には昔のままの生活調度がおびただしいホコリをかぶって、そのまま残っていた。食料調達に町へ出掛けたマイクは、狂暴なチンピラたちに襲われ、ひどい目にあわされ、あやうく一命を奪われるところだった。一方屋敷に残ったスザンナは、情欲に燃えるイーザンに暴行されそうになった。彼女の激しい抵抗にあって狂暴化したイーザンは、秘密の部屋に足を踏みこんでしまった。と、そこには鎖につながれた女がいて、彼を襲ってきた。その女は実はスザンナの姉であったが、狂暴なため小さい時からその屋敷に監禁されていたのだった。イーザンは女から必死にのがれようとしたはずみに灯を倒し火事を起してしまった。そして女に二階から突き落されて死んだ。町から戻ったマイクは懸命にスザンヌと女を救出した。だが叔母のアガサは人前に出せないスザンナの姉を連れて、燃え上る屋敷に入って行くのだった。スザンナとマイクは建物がすさまじい勢いで崩れ落ちるのを見守っていた。
監督
原作
製作
製作総指揮
撮影
音楽
脚色
[c]キネマ旬報社