アンソニー・ステファン
Regan
マニュエル・セバレスとティト・カルピの共同脚本を、新進レオン・クリモウスキーが監督したイタリア製西部劇。撮影はアルド・ペネリ、音楽は「リンゴ・キッド」のカルロ・サヴィーナが担当した。出演は「荒野のプロ・ファイター」のアンソニー・ステファン、フランク・ウォルフ、グロリア・オスナほか。イーストマンカラー、テクニスコープ。
賞金稼ぎの殺し屋リーガン(A・ステファン)は、プレスコット鉱業会社を襲い金を奪ったジム・ノートン(F・ウルフ)を首領とする強盗団を追って金を取り返したものの、どうもその金の出所が不明で、鉱業会社の金はまた別にあるような気配であった。それというのもジムが仲間うちのいざこざで殺され、一味の中のふたりの男が姿をくらましたという噂を耳にしたからだ。そこでリーガンはモンタナに住むジムと双子のトレバーを訪ねることにした。その途中彼は、保安官のバッジをつけた男の死体を発見した。当時モンタナではエイモスという男の率いる家畜業者たちが巾をきかせていたから、この殺害もどうやら彼らの仕業らしかった。リーガンは町に着くと判事や町長に新任の保安官と間違えられ、保安官に就任させられてしまった。これを見て不信を抱いたのは、今ではエイモスの手下となっている強盗団の一味の二人だ。彼らはトレバーがジムと同一人物ではないかと疑い分け前を要求するために町に来ていたのだった。ジムは死んではいなかったのだ。そしてある日二人はトレバーの牧場を襲ったが、駈けつけたリーガンに逮捕されてしまった。それまで平和主義者だったトレバーも、家畜業者のあまりの横暴に怒り、農民たちの先頭に立つ決心をした。間もなくリーガンは逮捕した二人の男を放免し、トレバーに近寄るのを監視、トレバーがジムかどうか発見しようとした。しかしトレバーは頑強に口を閉じていた。やがてトレバーはエイモスら家畜業者一味の陰謀を恐れて、姪のサリー(G・オスナ)と町を出ようとした。だがエイモスはそのトレバーに襲いかかった。ついにトレバーはジムだと名のり、応戦した。彼は強盗団の二人の男を倒したが、自分も弾丸を受けて死んだ。その時リーガンはサリーを救出、追ってくるエイモスを最後の一発で射殺した。
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