ミレーユ・ダルク
Eva
「シエラザード」の監督ピエール・ガスパール・ユイの脚本を、彼自身とウィル・ベルトルが潤色、ピエール・ガスパール・ユイが監督した。撮影はベルネル・レンツ、音楽はジャック・ルーシェが担当。出演は「太陽のサレーヌ」のミレーユ・ダルク、「女は夜の匂い」のジャック・シャリエ、「パリは燃えているか」のダニエル・ジェラン、ポール・ハブシュミットほか。製作はハンス・オッペンハイマー。
資産家の一人娘エヴァ(M・ダルク)は、自動車事故で両親を失うと、ミュンヘンからパリへ出た。そして写真家ベルナール(D・ジェラン)の紹介で、彼女は雑誌「エル」のカバー・ガールで売り出した。美しい肢体に恵まれたエヴァが、一流のファッション・モデルになるのも早かった。そんなエヴァに、妻ある身のベルナールは言い寄ったが無駄な骨折りだった。エヴァに初めて愛情を芽生えさせてくれたのは、建築技師ジャン・ルー(J・シャリエ)だった。そして甘い二カ月が続いた。だが最後にエヴァを待っていたのは、彼女の留守中に他の女を連れ込んで情事にふけっているジャンの裏切りだった。やがてエヴァはファッション・ショーで世界旅行へ発った。そして心の傷もいえた頃、プラチナ王のフランチェスコ(P・ハブシュミット)と結婚したが、破局の訪れは早かった。エヴァがジャンに再会したのは、そんな頃だった。ジャンは自分の不誠実を詫び、二人は再び愛の生活に戻った。しかしフランチェスコのさしむけた男たちに、愛の巣を発見され、エヴァは恐喝された。ところが慰藉料を払わずに離婚しようとしているフランチェスコにも愛人がいて、離婚訴訟はエヴァの勝ちに終った。喜び勇んでエヴァはジャンのもとに駈けつけたが、彼はどうしたわけか冷たく彼女を突っぱねた。自暴自棄の生活の中で、エヴァはケスネル男爵の求愛を受け入れ、二度目の結婚をした。男爵は偏執狂的な嫉妬心が強く、エヴァの過去をあらいあげ、ジャンの勤めていた会社を買い占め、ジャンを使用人にした。そしてジャンとエヴァの動きを目にしながら嫉妬にくるい、自殺してしまった。こうしてエヴァはケスネル財閥の女主人になった。しかし彼女の心は彼女自身はかり知れないほどの狐独でいっぱいだった。
Eva
Jean Loup
Bernard
Von Kessner
Franchesco
Virginie
[c]キネマ旬報社