セルゲイ・ボンダルチュク
Pierre Bezukhov
レオ・N・トルストイの原作を、セルゲイ・ボンダルチュクとワシーリー・ソロビヨフが共同脚色、ボンダルチュクが総製作・監督にあたった文芸篇。なおボンダルチュクはナレーター、ピエール役をもつとめている。撮影はアナトリー・ペトリツキー、音楽はビャチェスラフ・オフチンニコフが担当した。美術監督はミハイル・ボグダノフとゲンナジー・ミャスニコフ、装置はシメン・バリューシェクとサイド・メニャリシチコフ、音響はユーリ・ミハイロフとイーゴリ・ウルバンツェフが担当した。なお戦闘シーンの演出はアレクサンドル・シェレンコフとチェン・ユ・ラン。出演はボンダルチュクのほかに、リュドミラ・サベーリエワ、ヴァチェスラフ・チーホノフ、ヴィクトル・スタニツィンなど。製作担当はヴィクトル・ツィルギラーゼとニコライ・イワーノフ。イーストマンカラー、70ミリ。
一八一二年。ヨーロッパ征服の野望にもえたナポレオンは電撃作戦でロシアに侵入。むかえうつクトゥーゾフ将軍のひきいるロシア軍は、モスクワから一一〇キロ離れた寒村ボロジノにとどまり、運命を賭けた決戦の火ぶたをきった。見わたすかぎり大地をうめつくす敵味方、朝もやに砲煙と砂塵がまじりあい、流れる鮮血に小雨が降りしきる--さながら地獄絵のような戦場だった。過去の無益な生活を清算しようとするピエール(S・ボンダルチュク)も、祖国愛にもえるアンドレイ(V・チーホノフ)も戦場の非情を体験した。ロシア軍も、それまで無敵を誇ったナポレオン軍も半数近い兵力を失った。アンドレイのひきいる連隊も三分の一の兵力を失い、アンドレイ自身も重傷を負った。救護所には片脚を切断し苦悶するアナトーリがいたが、アンドレイは、かつて、婚約者ナターシャを奪ったこの仇敵にも、すでに憎しみの感情を、おぼえなかった。クトゥーゾフ将軍は、すでに新しい戦闘は物理的に不可能と判断し、全面的退却とモスクワ放棄を決断した。避難するモスクワ市民。ただ、ピエールは、自分の目でモスクワの運命を見とどけるべく、とどまった。モスクワに侵入したナポレオン軍は、たちまち暴徒と化し、街は怒りをこめた市民たちの手で火がつけられた。ピエールはナポレオン暗殺を思いたった。全ヨーロッパに戦争をまきおこし、人類に不幸をもたらす張本人ナポレオンを。だが彼は放火容疑者として捕えられてしまった。その頃、モスクワの煙を遠くのぞむ百姓家でナターシャ(L・サベーリエワ)はアンドレイに再会した。涙にむせびながら、過去の裏切りの許しを乞い、献身的な看護にあたった。数日後、看護のかいもなく、アンドレイはすべてを許して息絶えた。一方ピエールは、偶然に銃殺をまぬがれ、捕虜収容所に移された。そこで一兵士カラターエフと知り合い、単純素朴に生きる、この農民兵の、ものの考え方に深い感銘を受けた。彼こそロシアの民衆そのものの姿であった。ちょうどその頃、ピエールの妻エレンは、首都ペテルブルグでの派手な生活のすえ、薬の服用を誤り急死した。モスクワを掌中におさめたナポレオン軍はクトゥーゾフ将軍に軍使を送り、とり引きをはかったが将軍は拒絶。雪と飢えとに悩まされながら、ナポレオン軍の撤退が始まった。ロシアは国をあげて反撃にたちあがった。追撃の手をゆるめぬクトゥーゾフ将軍。奇襲をかけるパルチザン部隊。奪い返した捕虜の中にはピエールもいた。ロシアはやっと自分たちの祖国から侵入軍を追い出すことができたのである。ピエールはナターシャに再会した。そして、いまこそピエールは、人間は幸福のために生れたことを知ったのである。
Pierre Bezukhov
Natasha
Andrei Bolknosky
Ilya Andreevich Rostov
Countess Rostova
Petya Rostov
Sonya
Maria
Nikoluska
Prince Vasily
Sherer
Kutuzov
Karataev
Denisov
Pockfaced Tikhon
Napoleon
Rambal
Morel
監督、製作、脚色
原作
撮影
音楽
美術
美術
音響監督
音響監督
戦闘シーン監督
戦闘シーン監督
プロダクション・ディレクター
プロダクション・ディレクター
セット
セット
脚色