マリー・ジョゼ・ナット
Electore
アルベルト・カントフの脚本をミシェル・ドラックが監督したアクションもの。撮影はアンドレアス・ヴァインディング、音楽はウォード・スウィングルが担当している。出演は、「男と女(1966)」のジャン・ルイ・トランティニャン、「傷心」のマリー・ジョゼ・ナット、ホルスト・フランク、ヘルムート・ランゲなど。イーストマンカラー、フランスコープ。
ヨーロッパ有数の大企業につとめ、将来を嘱目されているデザイナー、ラファエル(J・L・トランティニヤン)の生活は、他人もうらやむほど、平和であった。だが、彼はその平和に退屈しきっていた。そしてある日、自動車事故を利用して、蒸発を試みた。だが、失跡しても、妻が尋ね人の広告を出した以外には、何のことも起きなかった。そんなある日、あるキャフェで、警察の尋問をうけ、裏口に逃げだして、そこにいたパスカルなる男と知りあってから、ラファエルは思わぬ事件にまきこまれていった。パスカルは、宝石商を専門とする、名うての強盗だったのである。ラファエルはそのパスカルの一味に加わった。パリの一流宝石商から、目的どおり、八億フランのダイヤを盗んだ一味は、予定どおりガレージへ逃げた。が、突然、ライバルであるアルフェーヌ一味におそわれ、パスカルは殺され、ダイヤもうばわれてしまった。ラファエルは、からくも死はまぬがれたが、急報でかけつけた警察に囲まれてしまった。その時、エレクトラ(M・J・ナット)という女の車に、救われた。パスカルの最後の言葉に従い、ラファエルは、ある男の部屋を訪ねたが、男は殺されており、しかも、彼が死体の所に行った時何者かが、それを写真にとった。翌朝、新聞はそのことを大々的に報道、ラファエルの身は危険となった。そんな彼を、エレクトラはアルフェーヌを襲い金をうばって、スペインに逃がれるよう煽動した。言われたとおり、ラファエルは、ダイヤモンドの買手として、アルフェーヌに近づいたが、捕えられ隠れ家に連行された。そして、そこには、意外にもエレクトラがいた。彼女はアルフェーヌの情婦だった。ラファエルの咄嗟の機転で一味は混乱、殺し合いがはじまった。だが、これはすべて、ダイヤモンドをわがものにしようとするエレクトラのしくんだものだったのである。そしてラファエルもまた、その芝居に一役かわされていたのであった。
Electore
Raphael
Fedelico
Alfine
Pascal
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