ヴィルジニー・ド・サラン
Virginie
「濡れた砂丘」のジョゼ・ベナゼラフが、脚本を書き、自ら監督している。撮影はアラン・ドローブ、音楽は、チェット・ベーカーが担当。出演は、ヴィルジニー・ド・サラン、アラン・ティスィエ、ウィリー・ブラジオなど。
ピエール(A・ティスィエ)、カルル、それにダニーの三人は、銀行頭取の娘ヴィルジニー(V・D・サラン)を誘拐し、郊外の古い別荘に監禁した。三人は頭取に身代金を要求しているボスの連絡をまっていたが、その間にカールはヴィルジニーに激しい欲情を感じ、思いをとげた。ボスからの電話があり、シェースの森で取引きをするが、失敗したら娘を殺せとの命令があった。隙を見てヴィルジニーは外に逃げたが、仲間の一人であるフランソワにつかまりフランソワは欲望のおもむくままにヴィルジニーを倒した。が、あとを追ってきたピエールは、そのフランソワを射殺してしまった。またカールも儲けを一人じめにしようとヴィルジニーを連れ出したが、これもピエールの銃弾にたおされた。一夜あけて、ピエールとヴィルジニーの間には恋がめばえていた。はじめて愛の交換を行ない、ピエールは、ヴィルジニーを父親にもとすべく森へ行き、警察の非常線のライトの中で死んでいった。
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