サンディ・デニス
Jill
D・H・ローレンスの小説「狐」をハワード・コッホとジョン・ルイス・カルリーノが脚色、新進マーク・ライデルが監督したレスビアン・ラブを描いたもの。撮影はウィリアム・フラーカーでロケはすべてカナダで行なわれた。音楽はラロ・シフリンが担当。出演は「下り階段をのぼれ」のサンディ・デニス、「カルタゴ」のアン・ヘイウッド、「濡れた本能」のケア・ダレーなど。製作はレイモンド・ストロス。
村から遠くはなれた農園で若い女性が二人、養鶏の仕事をしていた。その農園を買う金を出したのはジル(S・デニス)で、力仕事は、もっぱらマーチ(A・ヘイウッド)がしていた。そしてこの二人は同性愛の関係にあった。しかし、ひとつだけ意見の異なる点があった。それは納屋のそばに立っている大木を、ジルは切り倒そうといい、マーチはそれに反対だった。ある夜、船乗りのポール(K・ダレー)が休暇で訪れた。かつて、この農園は彼の祖父のものだったのである。彼の出現で女だけの館に異変が起った。ポールとマーチが婚約したのである。ジルは激しく嫉妬し、そのうえポールに金を与えて、去るように言ったが彼は拒絶。その夜、彼は、いつも農園を荒し、マーチたちを困らしていた狐を撃ち殺した。これを見ていたマーチは急速にポールに傾き、その夜のうちに二人は森の小屋で結ばれた。ジルの嫉妬と怒り--。やがて休暇が終り、再会を約してポールは帰っていった。そしてジルとマーチの愛は、再燃した。女性二人の平穏な幸福の日が続き、納屋のそばの大木を切り倒すことにマーチも同意した。彼女が木に、おのをあてている時、ポールが帰ってきた。彼はマーチから、おのを取り木を切り始めた。彼の警告をよそに、危険な場所に立ちつくしたジルは、倒れた木の、下敷きになって死んでいった。
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