ジェーン・バーキン
Arma
ある1人の女をめぐる4人の男女の情念の世界を描く。製作はオリヴィエ・ロルサック、監督・脚本は「小さな赤いビー玉」のジャック・ドワイヨン、撮影はブルーノ・ニュイッテン、音楽はフィリップ・サルドが担当。出演はジェーン・バーキン、マルーシュカ・デートメルスほか。
パリ。ブルーのシトロエンの中で、キャロル(マルーシュカ・デートメルス)は、少女(ロール・マルサック)と、もと恋人のアルマ(ジェーン・バーキン)の帰りを待っていた。二人は、夫アンドリュー(アンドリュー・バーキン)のもとに戻ってきたアルマを強引に奪い去る。市内のホテルの一室で激しく愛しあうアルマとキャロル。そこへアンドリューの依頼で彼女達を追う“ナンバー5”(フィリップ・レオタール)という男がやってくる。こうしてアルマをめぐって4人の男女による愛の葛藤と追跡が始まる。ダンケルクのホテルを経て、イギリス行きのフェリー・ボートへと舞台を変えるこの情念の世界は、益々エスカレートしてゆき、それは少女がアルマに向けて銃を放つことで幕を閉じる。しかし同時にこの悲劇は、アルマの運命を穏やかに解放することになるのである。
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