ミリアム・メジエール
Merecedes
決して成就することのない愛に生きる女性の姿を描く。監督は「白い町で」のアラン・タネール、脚本はタネールと主演のミリアム・メジエールの共同、撮影はアカシオ・デ・アルメイダが担当。出演はほかにアズィズ・カブーシュなど。
パリに住むメルセデス(ミリアム・メジエール)は30代の舞台女優。彼女は20代後半のジョニー(アズィズ・カブーシュ)とつきあっていたが、定職のない不安定な生活を送る彼にとって、メルセデスへの情熱と執着は人一倍で、彼女も初めはその熱意を活力にしていたが、次第にわずらわしさを感じ、長いいさかいの後、ついに彼と別れる。次に彼女は、地下鉄の中で会った40年代前半のまじめなジャーナリスト、ピエール(ブノワ・レジャン)とつきあう。しばらくの間、2人の蜜月は続いたが、仕事のためには何日も彼女を放っておくピエールのせいで、やがてメルセデスも距離をおいて接するようになり、その関係はカイロで終焉した。メルセデスは愛の砂漠をあてどもなくさまよい、空虚感を埋める何かを求めて、女優からウインドウストリッパーへと転身したりして、つかみどころのない未来へとつき進むのだった……。
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