ロジェ・ル・ベル
Albert
年老いた父子の愛情の交流を描く。製作はロジェ・フラピエとピエール・ジャンドロン、監督・脚本は本作品がデビューとなるジャン・クロード・ローゾン、撮影はギイ・デュフォー、音楽はジャン・コリヴォーが担当。出演はロジェ・ル・ベルほか。オリジナル・タイトルは“Un Zoo Ia Nuit”
2年の刑期を終え街に出たマルセル(ジル・マウ)は、未だに彼の隠している20万ドルと麻薬を狙って、2人の悪徳警官につけ回されていた。そんなマルセルのもとに、父のアルベール(ロジェ・ル・ベル)が20万ドルと麻薬を探し出し、それを持ってやって来た。マルセルは、妻に先立たれ孤独な毎日を送っている父と久しぶりに釣をして心を通わせるが、アルベールの命はもういくばくもなかった。マルセルは、かつて恋人だったジュリー(リン・アダムス)との再会の場で、例の悪徳警官たちに襲われ、彼らとの対決を決意する。そして服役中に知りあった“アメリカの友人”の協力を得て、マルセルは勝利するのだった。一方死のまぎわにいるアルベールの夢を叶えさせようと、マルセルは父を動物園に連れてゆく。それは猛獣狩りという夢だった。やがて父は死んだ。ひとりマルセルは、アルベールとの思い出に心をはせるのだった。
[c]キネマ旬報社