ジェームズ・ウィルビー
Tony Last
イヴリン・ウォーの原作を基に、ひとりの男性によって大きく変化するある夫婦の姿を、30年代のイギリスと南米のジャングルを舞台に描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーはジェフリー・テイラーとケント・ウォーウィン、製作はデレック・グレンジャー、監督・脚本は「アリア」のチャールズ・スターリッジ、共同脚本はティム・サリヴァンとデレック・グレンジャー、撮影はピーター・ハナン、音楽はジョージ・フェントンが担当。出演はジェームズ・ウィルビィ、クリスティン・スコット・トーマスほか。
'32年のある週末、ロンドンのプライベート・クラブで出会ったジョン・ビーヴァー(ルパート・グレイヴス)という無一文の若い男を、トニー・ラスト(ジェイムズ・ウイルビー)は、田園地方にある自らのヴィクトリア調の大邸宅へットン・アベーに招待した。ふとしたことからジョンの妻ブレンダ(クリスティン・スコット・トーマス)が、この田舎暮らしに退屈を感じていることを聞いたジョンは、母親(ジュディ・デンチ)に頼んでロンドンの部屋を彼女に紹介するようになる。やがてジョンとの情事に夢中になってゆくブレンダは、ヘットン邸を留守がちにするが、誠実なトニーはロンドンでの妻の背信に気づく様子もなかった。ある日、トニーは親友のジョック(ピップ・トレンス)と彼の恋人ラッテリー夫人(アンジェリカ・ヒューストン)を週末の乗馬に招待するが、この乗馬でトニーの一人息子が、仔馬から投げ出され死んでしまった。この事故を契機に、ブレンダはトニーに、ジョンとの愛を告げ家を出ていった。名誉を重んじるトニーは離婚に同意するが、原因を自分の不貞にあるという証拠をでっちあげようと工作する。がそれを理由にして、ブレンダがジョンとの生活を維持するために法外な生活費を要求したことから、彼は離婚手続きを中止し、全てを忘れるために、探検家のメッシンガー博士(クリストファー・ゴッドウィン)と共に、アマゾンへと旅に出た。ところが危険を極めたこの旅で博士は急流にのまれ、ひとり残されたトニーは、熱病に冒される。そんな瀕死の彼を助けたのは、トッド(アレック・ギネス)という現地人であった。やがて回復したトニーは、非識字者の彼のためにディケンンズの作品を朗読してやるのだった。その頃ロンドンでは、財産の入るあてのなくなったブレンダにジョンの態度は冷淡で、波はブレンダを残して母親とともにカリフォルニアへ旅立つつもりだった。一方トニーも、自分がトッドによって捕えられた囚人同然であることに次第に気付くようになるが、彼を探しにやって来た捜索隊も、トツドによって睡眠薬を飲まされ隔離されたトニーに会うことなく、ジャングルを後にする。やがてイギリスではトニーの追悼碑が建てられ、除幕式出席のために、ブレンダは久しぶりにヘットンに戻るのだった。
Tony Last
Lady Brenda
John Beaver
Mrs. Beaver
Mrs. Rattery
Todd
監督、脚本
脚本
脚本、製作
原作
製作総指揮
製作総指揮
撮影
音楽
編集
字幕
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