巴里の暗黒面
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巴里の暗黒面

1921年公開
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ドウクールセル氏の原作は小説として又戯曲として名声のあるものだそうである。監督は「巖窟王」のアンリ・プークタル氏。“白い翼”“生の争闘”“巴里のどん底”“贖罪”の四部に渡って、社会の惨めな人々の為にその堕落は境遇の為にであり、又その堕落は常に彼等にとって快きものとは限らないと叫んで社会全体に向って訴えている。出演は、アンドレ・リオネル嬢が処女から母に移り行く女に扮し、セフォラ・モッセ嬢が常に境遇と戦い常に犠牲となりながら遂に何等の報いをも受けなかった下流の女を、エレーヌ・ヴェルノン嬢が純美その物の二役を演じる。そのほかの出演は、子役サンドリー嬢、ジョルジュ・コラン氏、老練のカミーユ・ベール氏、確固たるシャルル・ド・ロシュフォール氏、ポール・ギデ氏。(無声、全四篇)

ストーリー

善良なる職工ジャンは一時の衝動に駆られて己が母なき娘ゼリーの見舞いをしてくれる令嬢ブランシュに消し難き罪を犯した。で、ジャンはギアナに二十年間労役に服す事となる。一方ブランシュの許嫁ジョルジュはこれを知ったが、及ぶ限り彼女を慰め結婚する。で罪の子マリーは唯一人この事件を知るアルノオの上さんに預ける。ジョルジュ夫婦の間にジェネヴィエヴという娘が生れたが、他に子があるとブランシュが思うので夫婦間が円満に行かない。親友ベルネイ医師はマリーは死んだと偽りの手紙を出して二人の仲を元通りさせる。アルノオは死ぬ際にゼリーに事実を明して、マリーを護る様に頼む。別れ際にもジャンはブランシュのお嬢様のお困りの時はどんな事をしても助けろとゼリーに話したのだ。十数年後ゼリーはアルノオの子シャルルを励ましながらマリーを護り育てた。しかし困難は益々つのるばかり、次第々々にシャルルは堕落して行く。家に一食一銭も無くマリーがその上病気になった時、彼女の為めとゼリーは忌わしい職業を取らなければならなかった。けれどもマリーには決して世の汚れも醜さも知らせなかった。一方ジェネヴィエヴが溺死してその悲しみからブランシュは狂人となった。ベルネイ医師の子ジャックは亡父の事業を継いでいたが、計らずマリーがジェネヴィエヴと生き写しなのを知りジョルジュを説いてマリーを以てブランシュの狂気を癒そうとする。これの為にはゼリーはマリーと離れねばならない。生みの母の狂気をマリーは知ったが、長年のゼリーの親しみ心尽しも別れるには悲しい。マリーの為にブランシュは正気に復る。一方ゼリーは牢に入ったが出獄後事実上夫たるシャルルと共に料理店を開こうとする。しかし資金が無くて父と知らずに帰仏したジャンから金を巻き上げようとする。加うるにシャルルはマリーに毒牙を研き、事件はこの辺に紛糾して一波瀾生ずるが、贖罪の日至ってシャルルは姿を隠し、ジョルジュ夫婦はマリーと共に平和の旦を迎えたが、老いたるジャンはマリーより一言お父様と云われた事に満足してゼリーと共に淋しくこの地を去らなければならなかった。

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作品データ

原題
Paris Underworld Gigolette
製作年
1921年
製作国
フランス
初公開日
1921年
製作会社
パテ・コンソルシオム・シネマ


[c]キネマ旬報社