ヤコブ・ティートケ
Kohlhieser der Gastwird des Dorfes
「出世靴屋」と同じくエルンスト・ルビッチュ氏が監督し、「死の曲」「夢の理想境」等主演のヘンニ・ポルテン嬢が出演した喜劇で、相手役は「アルゴール」「カラマーゾフ兄弟」出演のエミール・ヤニングス氏である。無声。
或る田舎宿屋の主人コールヒーゼルにリッジーとマーガレットの二人の娘があった。姉娘のリッジーは男性的な剛情な変わり者で色恋も解し得ない程であったが妹のマーガレットは姉に較べると柔和で快活で美しくて身姿等も飾ると云う方の女であった。妹のマーガレットと結婚したいと思って居たビッリーは彼女の父が姉を嫁にやった後でなければ妹は結婚させないと云って居たので先ずリッジーの夫となるべき人を探して廻ったが誰一人彼女と結婚しようと云う者が無かった。其処でやむなくビッリーは自分で義理にリッジーと結婚をして、したたか彼女を叱り飛ばし手荒な事をした所リッジーは始めて男の恐ろしさを知り急に柔順な優しい女と成ってビッリーの愛を求むるために身姿を綺麗にする様に成った。それでビッリーは妹よりも却って姉の方が好きになってそのまま意気相投合した夫婦に成ってしまった。
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